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第2回「市民のための法律セミナー」

第2回「市民のための法律セミナー」レジュメ

離婚を考えることになったら

1 「別居」をどう利用するか

(1) 別居の法律上の問題点

  • 夫婦の同居義務と別居の正当な理由

(2) 別居の始め方

  • 別居の切り出し方と行き先

(3) 別居の続け方

  • 住民票、郵便物などどうするか
  • 夫婦共有財産の持ち出し、通帳・印鑑など

(4) 別居をめぐる紛

  • 当面の生活費に困ったとき→婚姻費用の申立。審判前の保全処分
  • 夫が蒸発して借金取りがきた→夫の借金はあくまで夫のもの
    (日常家事の債務に注意)
  • 夫が別居先にやって来るのが怖いとき

2 離婚をめぐる子どもの問題

(1) 親権者・監護権者・父母の役割

  • 子どもの取り合いと押し付け合い
  • 親権がなくなっても親は親
  • 親権者の決め方の実際

(2) 子どもの氏の決め方

  • 離婚をしても子どもの氏は変わらない(元の戸籍のまま)
  • 子の氏の変更の申立

(3) 子どもの養育費の決め方

  • 養育費の請求の仕方
  • 養育費の決定基準

(4) 面接交渉権

  • 面接交渉の決め方
  • 面接交渉の実際

3 協議離婚をすすめてみる

(1) 資料の整理

  • 離婚届の取り寄せ
  • 手紙・メール・写真等
  • 戸籍謄本・住民票等
  • 登記簿謄本・預金通帳・給与明細・家計簿・生命保険証券等
  • 年表を作成してみる
  • 離婚後のシュミレーション

(2) 協議離婚の届出と不受理申出

(3) 協議離婚が行き詰まったら

4 裁判で認められる離婚原因

裁判で離婚を請求するためには「離婚原因」が必要(民法770条1項)

  • 不貞行為
  • 悪意の遺棄→別居が「悪意の遺棄」とされるとき
  • 3年以上生死不明
  • 強度の精神病
  • その他婚姻を継続しがたい重大な事由(いろいろな事情の塊による破綻)

例えば、暴行や虐待・重大な病気や障害・宗教活動・勤労意欲の欠如・犯罪行為や服役・性交不能・親族との不和・性格の不一致などだが、実質的に判断される

離婚(又は事実婚の解消)に伴う財産的請求について

奥村 一彦弁護士  奥村 一彦

1 財産分与とは

根拠

夫婦(法律婚又は内縁)の関係解消にともない、「相手方に対して財産の分与を請求することができる」(民法768条1項)、「ただし、離婚の時から2年を経過したときは、この限りではない」(同2項)

手続

協議が調わないとき、協議ができないとき家庭裁判所に協議に代わる処分を請求することができる(同2項)

内容-改正要綱案より

「家庭裁判所は、離婚後の当事者間の財産上の給付の衡平をはかるため、当事者双方がその協力によって取得し、又は維持した財産の額及びその取得又は維持についての各当事者の寄与の程度、婚姻の期間、婚姻中の生活水準、婚姻中の協力及び扶助の状況、各当事者の年齢、心身の状況、職業及びその収入その他一切の事情を考慮し、分与させるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定めるものとする。この場合において、当事者双方がその協力により財産を取得し、又は維持するについての各当事者の寄与の程度は、その異なることが明らかでないときは、相等しいとする」(768条3項の法制審議会改正案 ’96)

2 事例

(a)双方共稼 妻の割合:36、43、50、60各%

個別事情:ゴルフ・隠匿、双方教員・家事義母、作家・画家、

(b)双方家業 妻の割合:20、40、50、100各%

個別事情:夫の家業の手伝い、家事・夫の家業手伝い、家業手伝い・ホステス、理髪業・鍛冶屋

(c)専業主婦 妻の割合:20、36、50各%

個別事情:夫医者・不貞、婚姻費用分担の不足分、退職金への貢献

3 扶養的財産分与(離婚後扶養)について

事例:2002年東地 財産分与611万円+夫の年金額から妻の年金額を控除した残りの5分の2を支払い額とし、妻の死亡まで月額9万円

4 対象財産

(a)双方の協力によって得た財産

土地・建物、預貯金、同族会社の財産 – 法人格否認の法理、非上場株式

(b)家事労働・未払い婚姻費用

不当利得・未払い賃金、妻の生活費部分と家事必要部分の不均衡

(c)無形財産

夫の資格取得への貢献

(d)退職金

東京地裁の事例 平成13年時点で退職は平成26年、相手公務員であり退職金は不確定要素あるが受け取る可能性が高い。13年後ライプニッツ方式で計算して、退職時800万円を250万円と評価

5 その他の問題

(a)有責配偶者からの財産分与請求

有責性は無関係

(b)住宅ローンのある場合

基本的考え方:(時価-残存ローン額)÷2

しかし、当初の所有名義人=ローン支払者(抵当権の債務者)が、最終的に取得しない場合には、取得した相手方は銀行と交渉が必要。

また、現実には負債が上回ることも多い。売却すると負債が出る場合、その半分をもてという案が出てくる。これは解決困難。また、夫名義で、妻が保証人をしている場合、これを抹消させる必要がある。

どう解決するか→売却して一部を分担するか、夫負担にするか。

(c)利用権の設定による分与

夫名義の借家を妻が借り続けたい場合、転貸の形式をとることがあるが、大家からの明渡請求を受けることがある。しかし、背信的行為がなければ明渡は拒否可。

夫名義の住宅に特別の賃借権(利用権)を設定する。

(d)借地権の分与(譲渡・転貸に該当する)

地主の承諾が原則必要。しかし、借地権利者でない側と譲渡契約・転貸契約を結んでも背信的行為が内限り明け渡しは拒否できる。

土地賃借権譲渡許可の裁判が無難。

6 離婚時(事実婚解消)年金分割制度

対象

厚生年金、共済年金

分割内容

(1)平成19年4月1日以降離婚の場合、合意もしくは裁判所の決定

(2)同4月1日以降で、請求者が国民年金しか加入していない場合に、それ以降の期間につき2分の1。

分割方法

離婚後2年以内に、社会保険庁に情報提供をする。

事実婚の解消の場合

国民年金法で事実婚第3号被保険者の認定(被扶養者認定)を受けている場合に可能。