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京都の保育と働くルールを守ろう!~青いとり保育園問題で立ち上がるベテラン保育士たち~

京都の保育と働くルールを守ろう!
~青いとり保育園問題で立ち上がるベテラン保育士たち~

2015年7月13日
弁護士 谷 文彰

「保育」はみんなの関係する問題

いまお子さんがおられる方もそうでない方も、保育というのはみなさんに関わる問題です。お孫さんやご兄弟姉妹のお子さんなど、家族親戚に1人も子どもがいないという方は少ないでしょうし、そうでなくても子どもが元気に遊ぶ姿はかわいいもの。子どもたちが元気いっぱいたのしく遊ぶ姿があふれる社会は、やっぱり暮らしやすくて明るい社会だと思います。社会の宝である子どもたちがどんな保育環境で過ごしているのか、誰でも関心を持たれるのではないでしょうか。
 そして、これからの社会を担っていくのは私たちの子であり孫の世代です。いま大きなテーマとなっている戦争法制や労働法制は子や孫の将来に大きく関わる問題ですが、保育の問題は「いま」に関わる問題です。子どもたちの「いま」をどうしていくのか、この意味でも保育の問題は大きな関心事です。
 その「保育」のあり方がこの京都で問われ、さらには保育の現場で働く労働者の働くルールが問われているのが、京都市立病院の院内保育園「青いとり保育園」の問題です。

院内保育所「青いとり保育園」で奮闘してきた保育士さんたち

青いとり保育園は、約40年前、「子どもを産んでも看護師として働き続けたい」という労働者の要求から院内保育所として設立されました。以来、職員の皆さんは、病院関係者が子育てのことを心配せずに仕事に集中できるよう、そして何よりも子どもたちのために、やりがいと情熱をもって保育を行ってきました。勤め先に保育所があればそれだけ保護者は助かりますし、何かあってもすぐに対応できます。青いとり保育園で安定した保育環境が整備されているということは、とても大きな意義を持っていたのです。
 ところが2011年4月に京都市立病院が地方独立行政法人となった際、保育園の運営は民間委託されてしまいました。この時点でまず、京都市や病院は、雇用主としての責任、それから適切な保育環境を自ら整備すべき責任を放棄してしまったのです。しかしそれでもこのときは、「職員の継続性の確保」が謳われ、職員の雇用継続を推奨するような委託契約となっていました。それによって何とか職員の雇用を守ることができたのです。

保育の質も職員の雇用も切り捨て!

しかし今回、委託期間満了に伴う新しい委託事業者の選定の際には、「職員の継続性の確保」などが契約内容から抜け落ちてしまいました。その結果、提示上限額の3分の2という普通では考えられないような条件で受託業者が選定される結果に。当然、削られるのは人件費です。業者の提示した労働条件は、ベテラン職員にとっては半額以下という劣悪なもので、事実上職員を「解雇」するものに他なりませんでした。
 職員の雇用も保育の継続性も確保されないという異常な事態に、しかし病院や京都市は責任を転嫁するばかりで誰も責任を取ろうとしません。こうした不当な扱いに職員の方々は闘いを決意し、支援集会には200人前後が、街頭宣伝にも数十人がいつも駆けつけています。
 そして弁護団も結成され、7月3日、京都地方裁判所に裁判を提起しました。原告は退職に追い込まれた元保育士6名、雇用継続に対する期待権を侵害されたとして、京都市及び市立病院に対し、損害賠償を求めています。ベテラン保育士を簡単に切り捨ててよいのか、保育のあり方を問う裁判として、マスコミでも大きく取り上げられました。少子化社会の中で保育の質を守り、長年勤務した職員が安心して働き続けられるルールを確保するためにも、今回の闘いは非常に大きな意味を持っています。

今後の予定と支援のお願い

7月3日に提訴した裁判は、おそらく9月に第1回の期日が開かれます(まだ確定していません)。8月には、支援の方々にもお集まりいただいて提訴の報告集会を行うことも決まりました。継続的に行っている街宣や集会への参加者数が物語るように、お子さんがおられる方もそうでない方も、保育はみんなに関わる問題です。よりよい保育を実現し、安心して働き続けられる社会を実現するために、ご支持・ご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
 また、原告や支援者が中心となって青いとり保育園のクリアファイルや手ぬぐいなども作っています。原告の皆さんを応援し、よりよい保育や働くルールを実現していくために、ぜひこちらもお買い求めください(私もさっそく買いました!)。

(当事務所からは、浅野、大河原、渡辺、藤井、高木、谷の6名が弁護団に加わっています)