活動紹介

初の高裁判決で国と建材メーカーに勝訴!~建設アスベスト神奈川ダブル判決で連続勝利~

初の高裁判決で国と建材メーカーに勝訴!~建設アスベスト神奈川ダブル判決で連続勝利~

1 全国の注目を集めた連続判決

初の高裁判決で国と建材メーカーを断罪!これで、国に対しては7つめの、建材メーカーに対しては3つめの勝利判決です。

建設現場で大工や左官工などとして働く中、建材を加工する際に飛散したアスベストを大量に吸い込んで肺がんや中皮腫などの重い病気にかかった職人の方たちやその遺族が、アスベストの危険性を知りながら何の対策もとらず、むしろ積極的に使用を促進して被害を拡大させた国と多数の建材メーカーを相手に、損害賠償を求めて10年近く闘いを続けている建設アスベスト訴訟は、現在、全国の5つの地裁、4つの高裁(事件数としては6件)で審理が続いています。

そして今回、10月24日には横浜地裁で神奈川二陣訴訟の判決が、10月27日には東京高裁で神奈川一陣訴訟の控訴審判決が、それぞれ言い渡されたのです。

2 7つめの地裁判決(横浜地裁)-国に6度目、企業に2度目の勝利-

横浜地裁判決は、国との関係で、1976年1月1日の時点で、労働者に防じんマスクを着用させることを事業主に罰則をもって義務付けなかった点、及び、石綿含有建材へのより厳格な警告表示や建築作業現場におけるより厳格な警告表示(掲示)を建材メーカー等に対して義務付けなかった点を、違法としました。

そして建材メーカーとの関係では、同じ時点で石綿含有建材への厳格な警告表示を行うべきであったのにこれを怠ったとして、加害企業を厳密に特定することができた被害者との関係で、共同不法行為責任を認めました。責任が認められた企業はニチアスとノザワです。

3 初の高裁判決(東京高裁)-国に7度目、企業に3度目の勝利-

建設アスベスト訴訟で初の判決となった神奈川一陣訴訟横浜地裁判決は、国の責任も建材メーカーの責任も免罪する不当判決でしたが、それを乗り越えて勝ち取った今回の全国初の高裁判決は、逆に全面勝利判決となりました。

東京高裁判決は、国との関係で、1981年1月1日の時点で、同じように、防じんマスクの着用の義務付け(罰則つき)と石綿含有建材への厳格な警告表示等の義務付けをしなければならなかったにもかかわらず、これを怠ったとして違法性を認めました。

建材メーカーとの関係でも、エーアンドエーマテリアル、ニチアス、エム・エム・ケイ(旧三菱マテリアル建材)、神島化学の責任を認め、損害賠償を命じています。

4 いまこそ全面解決へと

2016年1月に私たちが勝ち取った、国を4度断罪し、建材メーカーの責任を初めて認めた京都地裁判決から1年半あまり。京都地裁判決の到達点を踏まえた審理が十分に行われた2つの裁判で連続して国と建材メーカーに勝訴したことで、司法の流れは定着したといえるでしょう。国の責任は不動のものとなり、建材メーカーの責任についても道筋ができたのです。国と建材メーカーは、いまこそ建設アスベスト訴訟の早期全面解決と建設アスベスト被害者補償基金制度の創設を決断すべきです。

関西でも、京都訴訟が2018年2月9日に、大阪訴訟が3月22日に、それぞれ大阪高裁で結審となり、大きな山場を迎えます。みなさまの一層のご支持・ご支援をよろしくお願い致します。

村山(団長)、大河原、秋山、谷