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その肺がん、アスベスト(石綿)が原因かもしれません

その肺がん、アスベスト(石綿)が原因かもしれません

2018年1月5日
弁護士 谷 文彰

1 造園業やバス運転手の方もアスベストで労災認定

近時、造園業の男性が、仕事中に吸い込んだアスベストが原因で肺がんになったとして労災認定されたという報道がありました。庭石などに使われる「蛇紋岩(じゃもんがん)」という岩石にアスベストが含まれていて、それを取り扱い、破砕・切断などの加工を行った際にアスベストが飛散し、吸い込んでしまったと考えられます。蛇紋岩は国内に広く分布する岩石で、安価でもあるため、コンクリートの原料や庭石など様々な場面で利用されていますが、アスベストを含んでいることも多いのに、そのことはあまり知られていません。そのため、蛇紋岩を日常的に取り扱っていた方は、もしかするとアスベストをたくさん吸い込んでいたかもしれないのです。この方が肺がんの原因がアスベストだということが分かったのは、たまたま詳しい方がいたからだそうです。

また、先日は、バスの運転手だった男性が、仕事中に吸い込んだアスベストが原因で中皮腫になったということで労災認定されたとの報道もありました。昔は自動車などのブレーキ部分にアスベストが使用されており、日常的にバスのブレーキ部分を点検する中で知らないうちにアスベストを吸い込んでいたのではないかと思われます。この方が労災認定されたのは、中皮腫の原因は日本ではほぼアスベストに限られるということも大きかったと思います。もし中皮腫ではなく肺がんだった場合、労災認定されたかどうかは何とも言えませんし、そもそもアスベストが原因だということに辿り着くのも困難だったかもしれません。

2 ご病気の原因はアスベストかもしれません

いずれの方も、たまたま詳しい方のアドバイスがあったり、アスベスト以外に原因が考えにくい中皮腫であったことから、無事に労災認定されて救済を受けることができました。しかし、肺がんの方の中に本当はアスベストが原因であるのにそのことに気がつかなかったり、あるいは間質性肺炎などと診断されたためにアスベストとのつながりに気がつかないままとなっている方も多くいらっしゃいます。私たちが取り組んでいる建設アスベスト訴訟において、法廷で専門家証人として証言してくださった大学教授の先生も、アスベストが原因で労災認定を受けている人は多いが、その裏にはアスベストが原因だと気がつかないままの人がたくさんいると思われると証言されました。

アスベストは、日本では大量に、多くの場面で使われてきました。労災認定を受けた職種としては、石綿工場の労働者や大工・左官などの建設業のほか、自動車や鉄道の部品製造業、造船業、倉庫業、港湾運送業、旅館業、教員など多様なものがあります(厚労省「石綿ばく露歴把握のための手引」などによる)。「もしかしたら?」と思われる方は、ぜひ専門家に相談してみてください。中皮腫の方、肺がんの方、仕事中に粉じんを浴びるような作業を多く行っていた方、アスベストが原因と労災認定されている職種と同じお仕事をされていた方、もしかしたらご病気の原因はアスベストかもしれません。

当事務所では建設アスベスト訴訟に積極的に取り組むとともに、個別の事件でもアスベスト被害者の方が救済を受けられるように全力を尽くしています。医師などの専門家とも連携することができますので、ご相談を頂ければと思います。

3 国から石綿(アスベスト)工場に関する賠償金支払いの案内を受け取られた方へ

なお、厚労省から以下のような葉書が送られてきた方のサポートも行っておりますので、あわせてご相談頂ければと思います。詳しくはhttp://www.daiichi.gr.jp/activity/p-2017/tani_20171003/をご覧ください。