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その他

個人情報保護法

相談  私の会社で、過去に商品開発のためのサンプルデータを取った際の名簿を利用して、ダイレクトメールを送ろうと思いますが、何か問題点はありますか?

回答  この場合、個人情報保護法の適用があるかどうか、個人情報保護法の目的外利用にあたるかどうかが問題となります。個人情報保護法は、2003年5月に成立し、2005年4月から施行されています。

 まず、個人情報保護法の適用があるのは「個人情報取扱事業者」という民間事業者に限られ、5000名を超える個人情報を保有している事業者がこれにあたります。ですので、単なる個人や、保有している個人情報が5000名以下の場合には、個人情報保護法の適用を受けることはありません。

 次に、顧客名簿に記載された情報が同法の対象となる個人情報にあたるかどうかですが、同法では、個人情報について「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述により、特定の個人を識別できるもの」と定義されています。一般的に名簿に掲載されている、氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどは個人情報にあたることになります。

 そして、「個人情報取扱事業者」に該当する場合、取得した個人情報の利用について、利用目的による制限を受けることになり、個人情報を取得した際の利用目的以外の利用(目的外利用)については、あらかじめ本人の同意を得ている場合を除き許されません。

 今回のご相談では、過去に商品開発のためのサンプルデータを取った際の名簿を利用すると言うことですから、サンプルデータを取った際に「提供いただいた個人情報は、当社からの新商品・サービスに関する情報のお知らせのために利用させていただくことがあります。」などとあらかじめ断っている場合を除き、目的外利用にあたり、利用することは許されません。

 今後は、今回と同様の場合はもちろんのこと、一般的な顧客名簿を作成する場合であっても、住所、氏名等を記入してもらう際に、その利用目的を明示しておくことが必要ですのでご注意下さい。

弁護士 大河原 壽貴

家屋解体による養生工事の責任は?

相談  自宅を建て替える為に家屋を解体したところ、近接して建てられていた隣りの建物の壁土が剥き出しのまま露わとなりました。このままでは風雨によって流されてしまいます。こちらで養生工事をしなければならないのでしょうか。

回答  両建物が壁を共通にして、あるいは接触して建てられていた場合は、こちらの建物部分を解体することによって必要となった養生工事は、こちらでやるべきでしょう。

 本件では、解体前、壁は互いにどの程度離れていましたか。また両建物の建築の経過はどういうものであったのですか。

相談  それぞれの壁は境界線を挟んで約20センチ程離れていました。建築は、私の方が境界線近くで先に建て、その後に隣りが近接した場所に建てたのですが、その際に隣りは、壁の土は内側から塗ったまま、その外側にはトタン等を張ることなどはせず、単に雨が落ち込まないよう上部に覆いをしたのみであったことが、今回解体して初めて分かりました。

回答  そうすると隣りは、壁土を剥き出しのまま建築を終えていたのですね。そうしたのは、貴方の建物があったために壁面にトタン等を張ることができなかったという面はあるものの、少し境界線より引き下げて建てれば、壁面を張ることもできた筈です。ところが隣りは当時、それを行わないという選択をしたと思われます。そのような場合まで、貴方が解体した後、貴方の側で養生工事をしなければならない義務があるとは言い難いと思われます。

 しかし、貴方は建て替え後も、隣りとは近所付き合いを続けなければならない関係にあります。今回隣りに必要となった養生工事については、双方で十分に話し合いをして、場合によっては費用を分担するなどの中間的な方法ででも、円満に解決することが望ましいでしょう。

弁護士 森川 明

インターネット上での誹謗中傷

相談  インターネット上の掲示板に、「○○の悪行三昧」と題して、私の実名とともに事実無根の誹謗中傷が書き込まれています。そして、検索サイトで私の実名を検索すると、その掲示板が最初に表示されてしまいます。どのように対処したらよいでしょうか?

回答  最近問題になることの多いインターネット上での誹謗中傷ですが、一定の要件を満たした場合を除いては名誉毀損に該当し、民事では損害賠償(慰謝料)請求等の対象になり、刑事でも名誉毀損罪が成立する場合があります。また、プライバシー侵害があった場合も損害賠償請求の対象となります。

 ただし、インターネット上の書き込みによる被害で一番問題になるのは、匿名の書き込みがほとんどであるため、書き込んだ相手を特定できないことです。この問題に対処するため、いわゆるプロバイダ等責任制限法が施行されています。この法律では、一定の要件・手続の下で、プロバイダ等(プロバイダや携帯電話会社、ホームページ・掲示板などの設置者)に対して、発信者に関する情報を開示するよう請求する権利が認められています。

 実際には、掲示板への書き込みの場合、掲示板管理者に対して発信者のIPアドレス(リモートホスト)と発信時刻等の開示を請求し、そこから判明したプロバイダ(ISP)や携帯電話会社に対して発信者の住所、氏名、メールアドレスなどの情報開示を請求して、相手方を特定することになります。プロバイダ等が開示を拒否した場合は開示を求める裁判を行うことになります。

 検索サイトに対しては、検索結果の表示による権利侵害を理由として、検索結果を表示しないことを要請することになります。大手検索サイトの場合、ウェブ上でも行うことができますし、検索サイト運営会社に対して内容証明郵便等で通知を行う場合もあります。

弁護士 大河原 壽貴

クレーン事故の責任の分担は?

相談  当社が請負った建設工事のクレーン作業中に鋼材が落下して、隣接の駐車場の車2台が潰れました。クレーン車はA社から借りたもので、A社の従業員のBがクレーン操作と運転をしていました。玉掛け作業は当社の下請のCが行っていましたが、BだけでなくCのミスも重なった事故でした。車の損害賠償を当社に請求されていますが、A社にどれだけの分担を求めることが出来ますか。

回答  被害者に対する関係では、BとCは共同不法行為者(直接の加害者)として、当社とA社は使用者として、それぞれ全額を連帯して賠償する責任があります。注意しなければならないのは、A社はBの使用者としての責任だけですが、当社は、CだけでなくBの使用者としての責任も問われるということです。使用者責任の成立には、実質的に指揮監督する関係にあっただけで足り、雇用関係は不要とされています。

 次に、当社とA社の内部分担について、同様のケースで最高裁は次のように判断しています。

1.まず、BとCの過失の割合を決めます。Cの過失割合については、Cの使用者は当社だけですから、当社の分担になります。仮に、B80%、C20%であれば、20%が当社の分担になります。

2.次に、Bの過失については、使用者が複数いますから、Bのミスの態様、それと各使用者の事業の執行との関連性、指揮監督の強弱などの要素を検討して、A社と当社の負担割合を決めます。仮に、この割合がA社70%、当社30%であれば、当社はBの過失割合80%×30%の24%についても分担させられます。

3.上記の仮定の場合には、結論として、当社44%、A社56%という分担になります。

弁護士 荒川 英幸