あなたのために全力で 暮らしと人権を守って48年 京都最大の法律事務所(弁護士19人、事務スタッフ25人) 法律でお悩みの方はお気軽にご相談ください。0120-454-489

事業承継

「中小企業経営承継円滑化法」ができました。

相談  私は、これまで40年間、株式会社を営んできました。会社の株式は100%私が保有しています。今回、私が引退するにあたって、私と一緒に仕事をしてくれてきた二男にあとを継がせたいと思っています。しかし、私には子どもが4人おり、私の死後、相続によって、会社や事業用資産がバラバラになってしまうのではないかと心配です。どうしたらよいでしょうか。

回答  後継者に対して、自社の株式や事業用の資産(不動産など)を継がせる方法としては、先代の経営者が生きているうちに後継者に譲渡する「生前贈与」や、「遺言」で後継者に相続させるといったやり方が用いられてきました。しかし、仮に「生前贈与」をしたとしても、みなし相続財産として、相続の際には一緒に計算されてしまうことになります。また、「遺言」で後継者に資産を相続させたとしても、他の相続人(ただし兄弟姉妹をのぞく)には遺留分があり、法定相続分の2分の1については、他の相続人から請求を受ける可能性があります。これでは、株式や事業用資産が分散してしまい、その後の会社経営に支障が出てしまいます。

 そこで、昨年「中小企業経営承継円滑化法」が成立し、事前に推定相続人全員からの合意を得ることで、自社株式や事業用資産を、遺留分の算定から除外することができるようになりました。これにより、先代の経営者が死亡した後、遺留分を請求されて自社株式等が分散することを防ぐことができます。

 また、自社株式を生前に贈与した場合で、その後の後継者の努力によって株式の価値が上がった場合、後継者が努力した分まで他の相続人が取得してしまうという問題もありました。この点についても、推定相続人全員から、生前贈与株式の評価額を固定する合意を得ることで、問題を回避することができるようになっています。

 これらの手続については、経済産業大臣の確認や家庭裁判所の許可が必要になりますので、後継者への事業の承継をお考えの方は、一度弁護士にご相談下さい。

弁護士 大河原 壽貴