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国民の生存権を守れ!生活保護費の削減に反対!

国民の生存権を守れ!生活保護費の削減に反対!

藤井 豊2013年5月7日
弁護士 藤井 豊

国が生活保護費の削減を決定

2013年1月29日、政府は、2013(平成25)年度予算案で生活保護の生活扶助基準を3年間で総額670億円削減することを決めました。削減幅は平均6.5%(最大10%)で、この基準引き下げによって受給額が減る世帯は96%に上ります。1950年以降、生活保護基準が引き下げられたのは、2003年度(0.9%減)と2004年度(0.2%)の2回だけであり、今回は前例のない大幅引き下げになります。併せて、就労支援の強化、医療費扶助の見直しなどによって、さらなる削減を行う方針です。

理由なき削減

生活保護基準は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準であり、国民に保障された生存権そのものです。簡単に削減が許されるものではありません。

国は、今回の削減の理由を2008年以降の物価動向(デフレ)から説明しています。しかし、2008年は原油高のため物価が特に上昇していた時期であり、デフレでは説明できません。また、今回削減の対象となる生活扶助から支出し、買い控えのできない食費、水道光熱費は2002年から2007年までの水準と比較するとむしろ上昇しています。

他人事ではない生活保護の引き下げ

生活保護基準の引下げは,現に生活保護を利用している人の生活を悪化させるだけでなく,いまや国民の多数を占めるに至っている低所得者層の負担増を招き、市民生活全体に大きな影響を与えます。

地方税の非課税基準、介護保険の保険料・利用料や障害者福祉の利用料の減額基準、就学援助の給付対象基準など、福祉・教育・税制などの多様な制度にも連動しているため、生活保護基準の引き下げは低所得者層の負担増を招きます。また、最低賃金についても引き上げの目標額が下がり、労働者の給与にも大きな影響が及ぶおそれがあります。

格差是正、貧困の解決を目標にした政治を

政府は、デフレ脱却を経済政策の大きな目標にしています。

しかし、低所得者層は、貯蓄する余裕がなく収入のほとんどを消費に回すため、低所得者層の収入減少は消費の減少に直結します。デフレを理由に生活保護基準を引き下げながら、さらなるデフレを招くという負のスパイラルに陥ることが明らかです。

また、生活保護費を削減する一方で、際限なき金融緩和により高所得者層である投資家は利益を上げ、赤字国債を発行して大型公共事業を推進しようとしています。そして、そのつけを消費税増税により賄おうとしています。

こうした安倍政権の社会保障政策、経済財政政策は、貧しい人たちの犠牲の下に、高所得者を益々富ませようとする政策にほかなりません。

当事務所は、安倍政権が進める生活保護費の削減に反対し、格差是正と貧困問題の解決を目標にした国民を真に豊かにする政治を実現するため、みなさんと一緒に頑張りたいと思います。