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原発から自然エネルギーへ

原発から自然エネルギーへ

奥村 一彦2011年7月13日
弁護士 奥村 一彦

原発は危険だ!

原子力発電(原発)は、ウラン325を核分裂させ、分裂の際に出る途方もなく大きい熱で水を沸騰させてタービンを回す発電方法です。

しかし、いったん事故を起こすと、放射能汚染により、一挙に何万人という人々の生存を脅かす危険な設備です。大変残念ながら、福島第一原発事故でも、それが証明されてしまいました。何故危険なのでしょうか。

(1)地震により配管が破断すると放射能汚染水が漏出します。福島第一原発の軽水炉型子炉内で直接沸騰させた水(放射能汚染水)でタービンを回して発電するのですが、地震により配管が破断したり、原子炉そのものが壊れ、放射能に汚染された水や水蒸気が外に漏れました。

(2)水の供給が停止すると放射能を外にまき散らす以外に方法がありません。原子炉内では、ウラン燃料を水の中につけて核分裂させますが、その時の温度は2700度の高温です。絶えず水を循環させて冷やします。ところが、その冷やす水の循環が止まると、原子炉内の水は熱でたちまち水蒸気となり、原子炉内に水がなくなります。すると燃料棒(炉心)が水から顔を出し(露出)、自分の熱で崩壊していきます(メルトダウン)。そうすると2つの重大問題を引き起こします。

ひとつは、メルトダウンした燃料が原子炉を溶かします。原子炉は鉄で出来ていますので、800度くらいから溶け始めます。原子炉を溶かして放射性物質が外に出ます。一方、大量の放射能で汚染された水蒸気は原子炉内で超高圧状態となっています。そうすると外から水を注入しても入りません。そこで、圧力を下げるためにどうしてもその水蒸気を外に逃がすことが必要となります(ベント作業)。このようにして放射能が外に大量にまき散らされます。

(3)使用済み燃料(産業廃棄物)の完全保管の保証がありません。使用済みウランは一部がプルトニウムになりますが、放射能を出さなくなるには数万年もかかります。この管理は本当にできるのでしょうか。

このように、原子炉内から放射能を完全に外に出さないようにする技術はまだありません。放射能は、遺伝子に悪影響を及ぼし、癌発生の原因となります。また、子どもほど影響が大きいことも明らかとなっています。

福井県の原発の状況(2011年5月29日・京都民報より)

福井県の原発の状況(2011年5月29日・京都民報より)

自然エネルギーへの転換は可能

原発に代わる発電で最も有力なものは太陽光による太陽熱発電です。太陽熱発電は世界中で利用できる、コストも安い安全な発電技術です。数十枚から数千枚の鏡を使い、太陽光線を集中させて熱に変える発電方法です。温度は400度から1000度まで上げることができます。太陽が出ない夜間などでは、蓄熱装置を用いて、24時間発電できるところまで来ています。また、他の発電方法(水力、風力、地熱)を組み合わせることによっても安定的に電気が供給できます。

ドイツでは、2004年1キロワットアワーあたり65円で電力を買い取る方針を出したところ、民間企業が競いあって爆発的に太陽光発電が普及しました。2020年までに自然エネルギーの割合を20%から30%にする方針です。

発電コストも2010年、原発と太陽光発電は逆転し、太陽光発電はコストが下がり続けているとのことです(米ノースカロライナ州の研究)。

では、太陽光だけで世界の電力を賄えるのかというと、それが可能なのです。1平方キロメートルの砂漠に日射するエネルギーは平均2・2テラ・ワット・アワーで(テラは1兆のこと)だそうです。それが600平方キロの広さがあれば、世界の年間の電力量が供給できるのです。

EUでは、アフリカ、中東、EUにまたがるデザーテック(砂漠の発電構想)を計画しています。サハラ砂漠と中東に太陽光発電装置を建設し、EU全体の電力の15%を供給する計画です。これが広がれば、電力は全部太陽光発電で賄える日も、今世紀中には実現することも可能でしょう。

安全でコストの安い電力を目指し、政府に働きかけましょう。