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カルテのないC型肝炎国家賠償請求訴訟、勝利的和解

カルテのないC型肝炎国家賠償請求訴訟、勝利的和解!!

弁護士 寺本 憲治2014年1月31日
弁護士 寺本 憲治

第1 はじめに

2014年(平成26年)1月30日(木)、カルテのないC型肝炎国家賠償請求訴訟について、国と和解を行いました。同訴訟にて和解を行うということは国がこちらの主張を認めたということなので、全面的な勝訴と同視できるものです。

第2 本件事案について

2011(平成23)年8月16日、京都地方裁判所に、京都府在住の男性を原告としてC型肝炎国家賠償請求訴訟を提訴しました。男性は、1970年(昭和45年)頃、病院にて大量の出血を伴う手術を受けました。その後、C型肝炎に感染してしまい、肝硬変、肝細胞癌を患ってしまったのです。

本件裁判においては、男性が手術時に特定フィブリノゲン製剤を投与されたかどうかが主な争点となりました。

この点、同手術が行われたのが約40年前のことで、病院に問い合わせたところカルテは残存していませんでした。ただ、手術記録が残っていました。その手術記録を翻訳したところ、特定フィブリノゲン製剤投与についての記載はありませんでしたが、手術記録に記載されていた医師を探し出して、手紙を送って協力を求めました。

すると、一人の医師が会って話を聞かせてくれることとなりました。何度も繰り返し医師と面談し、当時のことを思い出して貰い、2回の証人尋問にも協力して頂きました。同医師の協力が決め手となり、国はこちらの主張を認め、和解を行う運びとなりました。

第3 救済制度と実際の問題及び被害者救済に向けて

2008年1月16日にC型肝炎救済特別措置法が施行されました。これにより、C型肝炎に感染されている方は、一定の条件を満たした場合に、 国から一定の給付金を得ることができるという制度が設けられました。

給付金の支給を受けるためには、まず、国を被告として、訴訟を提起することが必要になります。

裁判手続の中で、①出産や手術での大量出血などの際に、「特定フィブリノゲン製剤」や「特定血液凝固第Ⅸ因子製剤」といった製剤が投与された事実、②製剤投与と感染との因果関係、③C型肝炎の症状、の3つについて判断がなされます。これが認められると、病状にあわせて一定の給付金が支給されることになります。

ただ、実際には、製剤が投与されたと思われる時期が何十年も昔のことで、病院のカルテ等の客観的資料が既に廃棄されてしまっている事案が多く見られます。こういった事案では、製剤が投与されたという事実の立証のために、様々な工夫と努力が必要となります。やむをえず訴訟提起を断念せざるをえない方々も数多くいらっしゃるようです。

本件も同様の事案でありますが、被害者本人のため、また、今後同じ被害に苦しむ人たちのためにも、被害救済を求めて尽力し続けた結果、勝利的和解という解決を得ることができました。今後も被害救済のため、全力を尽くしていく所存です。

以上