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消費税増税に際して気をつけておくこと

消費税増税に際して気をつけておくこと

弁護士 大河原 壽貴2014年3月13日
弁護士 大河原 壽貴

本年4月1日から消費税率が5%から8%に引き上げられます。消費税の増税は、庶民に対する負担を増大する一方で大企業を優遇する政策の一環としてなされており、決して許されるものではありません。消費税の増税をストップさせる運動を続けていかなければなりませんが、その一方で、実際に消費税率が引き上げられることに対する対策も必要です。以下、消費税率引き上げにあたっての基本的な注意点についてまとめました。

1 消費税率の適用は、原則として納品時点の税率が適用されます。

本年3月10日に契約・発注したとしても、納品が4月10日であれば、その商品の代金に対しては、増税後の8%の消費税が課税されます。消費者であれば購入に要する費用、事業者であれば仕入れ等に要する費用が、その分だけ余計にかかることになりますので注意が必要です。

なお、これから3月いっぱいにかけては、増税前の駆け込み需要で、品物不足による納品遅れが発生することも予想されます。在庫切れなど、売主側の都合で納品が遅れたとしても、増税後の税率で課税されることになりますので、そのあたりを見越した計画的な購入・発注が大切です。

また、特に小売業者などの方にはご注意いただきたいのですが、「10,500円(税込)」など増税前の値札で品物を販売した場合でも、4月1日以降は8%の消費税が課税されます。ですので、778円の消費税を納めなければならず、実質的に値下げした形になってしまうことに注意が必要です。この点については、昨年(2013年)10月1日から「10,000円(税抜)」という、税別での表示を行うことができることになっています(2017年3月31日まで)。

2 増税後の税率適用にはいくつかの例外があります。

上で、税率の適用は原則として納品時点の税率が適用されると書きましたが、経過措置としていくつかの例外が設けられています。

代表的なものの1つは、建築等の請負契約です。これについては、昨年(2013年)10月1日までに契約されたものであれば、完成・引渡が4月1日を過ぎても、5%の税率が適用されます。昨年10月1日以降の契約であれば、原則通り、引渡が4月1日よりも前か後かで税率が変わります。

また、旅客運賃についても例外があり、3月31日までに購入(消費税は5%)した切符であれば、4月1日以降に乗車しても、追加の消費税を支払う必要はありません。4月1日以降に購入する切符等には8%の消費税がかかります。

ほかにも、通信販売や賃貸借、電気料金等について例外がありますので、関係している方は中小企業庁や国税庁などのホームページで確認をお願いします。

3 消費税転嫁対策特別措置法が制定されています。

中小業者の方々に対して、取引先企業が、消費税増税分だけ本体価格の値下げを求めるなど、消費税の転嫁拒否をすることは、消費税転嫁対策特別措置法3条で禁止されています。また、小売店での「消費税8%分還元セール」「消費税増税分を値引きします」などの表示も禁止されていますので、ご注意下さい。