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稀代の悪法「特定秘密保護法」が施行されました

稀代の悪法「特定秘密保護法」が施行されました!

2015年3月20日
弁護士 秋山 健司

1 秘密保護法とは

2013年12月6日、安倍政権は、世論の大きな反対を無視して特定秘密保護法を強行採決し制定しました。

この法律は、政府にとって「都合が悪い」情報を「特定秘密」に指定し、私たち市民に知られないようにすることを可能とするものです。『「防衛」「外交」「特定有害活動」「テロリズム」に関係する情報』と説明をつければ「特定秘密」として指定できてしまう仕組みです。

ある情報がいったん秘密に指定されると、5年間はその内容が国民・市民に明らかにされず、政府自身が秘密指定を延長する必要があると考えれば期間延長できることになっています。

2 国民の知る権利を侵害

政府が保有する情報は、本来、国民主権原理(日本国憲法前文、1条)のもとで、私たち国民、市民が当然に知るべき情報と考えられています。

特定秘密保護法は、国民主権を支える知る権利、報道・取材の自由(日本国憲法21条1項)を根底から覆す、いわば「憲法ジャック」ともいうべき法律なのです。

3 刑罰で知る権利を制限

これまで、報道機関などが国民にとって重要な機密情報を明らかにし、世論により時の政権が追い込まれるということが繰り返されてきました。

ところが、特定秘密保護法のもとでは、特定秘密と指定された情報をもらした公務員等は最大10年の懲役刑に処せられ、情報提供を受けた報道機関等の側も処罰されることになります。

今でさえ権力に対して弱い姿を晒している報道機関に対する抑止効果は絶大です。

4 秘密保護の名目で市民のプライバシーを侵害

また特定秘密と指定された情報を扱う人(※民間人の場合もあります)は、政府によって「特定秘密を扱える適性」をその人がもっているかを調査され、交友関係や団体所属関係、経済状態から趣味・嗜好についてまで政府に把握されてしまうこととなっており、プライバシーの権利(日本国憲法13条後段)をも踏みにじる内容となっています。

5 特定秘密保護法成立後の動向

このような稀代の悪法であるため、法律制定後も、全国各地でこの法律の廃止を求める集会や自治体決議が相次ぎました。

京都弁護士会も、2014年9月に、ジャーナリスト鳥越俊太郎さんを招いて、秘密保護法の廃止を求める市民集会を行い、700人を超える市民が集まりました。

しかし、2014年12月10日、ついに施行されてしまいました。同年末時点において382件もの情報が特定秘密と指定されています(指定された文書や写真そのものの点数は40万件を超えると推定されます。)。一体、どんな情報がどんな理由で特定秘密とされてしまったのかさえ私たち市民にはわかりません。市民の目、耳、口を塞ぐ悪法が動き出したのです。

6 特定秘密保護法の背景にあるもの

安倍政権は、2014年7月に日本国憲法9条からは到底認められない集団的自衛権を認める閣議決定を行い、開会中の通常国会では、自衛隊が戦闘地域に入り、武器を使用できるようにする法改正を強行しようとしています。

310万人もの日本国民、2000万人ものアジア市民の命が失われた第2次世界大戦に対する反省から誕生した日本国憲法を足蹴にし、再び戦争ができる国家体制へと、歴史の歯車を逆戻りさせようとしています。

同時に、国民・市民の会話内容を処罰対象とする共謀罪の制定、市民間の会話内容を盗み聞くことを容易にする盗聴法(通信傍受法)の拡大を図る法改正などを進めています。

「積極的平和主義」という美名を掲げて自衛隊の海外派兵を進め、特定秘密保護法により国民から情報を隠し、共謀罪と盗聴法により国民を監視する仕組みを整える、安倍政権の動きは、まさに戦前の日本の姿と重なって見えます。

7 改めて、特定秘密保護法の廃止を求める活動を!

日本国憲法の国民主権原理、知る権利、取材・報道の自由に真っ向から違反する特定秘密保護法は憲法違反であり、戦争への道を一つ進めるものです。

同法の廃止を求める声を更に大きく上げていく必要があります。京都弁護士会では、秘密保護法廃止を求める街宣活動・署名活動を行っています。

(当事務所でも廃止を求める署名に取り組んでおり、署名用紙を用意しています。ご協力を宜しくお願い致します。)