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危険な戦争法案! 自衛隊はどこまでやるのか?

危険な戦争法案! 自衛隊はどこまでやるのか?

2015年7月13日
弁護士 藤井 豊

1.自衛隊活動を大幅に拡大させる戦争法案

現在国会で審議されている戦争法案(安保法案)は、自衛隊の活動に関わる法律案です。新たな法律案を提出したのは、これまでできなかった活動を法律上可能とするためです。そこで、まずは過去の自衛隊の活動を振り返る必要があります。

2.これまで自衛隊はどんな活動をしてきたのか

防衛省のHPにもその実績が紹介されていますが、自衛隊の海外活動は、国連PKO活動から始まります。PKO活動はカンボジア復興支援に始まり、中東、アフリカ、中米ハイチなど多数の国への派遣実績が積み重ねられてきました。比較的安定した地域への派遣がなされ、活動内容は主には復興支援、難民支援でした。
 それから、9.11以降始まる、アメリカ主導の「テロとの戦争」では、テロ特措法を制定し、海上自衛隊がインド洋で米軍艦船への給油活動を行っています。平行して、大量破壊兵器保有という偽情報を口実にした「イラク戦争」が始まり、イラク特措法を制定し、陸上自衛隊をサマワに派遣して復興支援を行いました。これはマスコミでも大きく報道されたところです。
 一方で、派遣された航空自衛隊が、武装した米軍兵士をクウェートからバグダッド空港などへ週5便の定期便で空輸する活動を行いました。
 ちなみに、当時米軍は、バグダッドを含む各都市で、イラク軍の残党、シーア派のマフディー軍、スンニ派過激派などの武装組織と戦闘を繰り返しており、戦闘地域に武装兵士を送り届けるこの航空自衛隊の活動は、武力の行使に当たるとして、名古屋高裁で違憲判決を受けています。
 それから、アフリカ東部にあり、中東を睨む位置にあるソマリア沖で海賊行為が発生した時には、海賊対処法を制定し、ソマリアの隣国ジブチに自衛隊の常設基地を建設するに至り、現在も留まっています。
 このように、自衛隊の活動は、アジア、中東、アフリカ、中米と、すでに世界規模に広がり、かつ、「後方支援」の名目で、米軍の戦闘行為に密接に関わる活動にまで及んでいます。

3.戦争法案によって自衛隊に

しかし、それでも足りない、ということで、今回の法律案が登場してきたのです。
 これまで大きく制限されていたことは、主に以下の点です。

① 武器使用

② 戦闘地域での活動

③ 弾薬、燃料の補給

戦争法案によってこの制限を解除し、これから何をしようとしているのか、その一部を具体的に示します。
 ①武器使用については、治安維持活動を遂行するための武器使用を認めようとしています(国際平和協力法案)。暫定政府が存在しても、テロが多発し、武装勢力が跋扈する地域での治安維持活動は、常に攻撃に怯えながら、現地の民衆に銃口を向けることになります。紛争と荒廃の中、テロリストや武装勢力となった現地の若者達(少年兵もいます)からの攻撃を受けるでしょうし、これに対して自衛隊が鎮圧のために彼らを殺傷することになるでしょう。
 当然、犠牲も多く、暫定政府発足後のアフガンでの国際治安維持活動ではNATO軍約3500名が死亡しています。身体に障害を負ったり、精神を病んだ人はさらに多数になります。
 ②戦闘地域での活動、③弾薬、燃料の補給については、現に戦闘行為が行われていない場所であれば、自衛隊が活動できるようになります。これから戦闘を始めようとする米軍部隊であっても、現に戦闘をしてさえいなければ、弾薬や燃料の補給ができるようになります。要するに、自衛隊は「補給部隊」となり、「兵站(へいたん)活動」を担うのです。戦闘に巻き込まれるどころか、攻撃対象として狙われることになるでしょう。

4.戦争法案は絶対廃案に!

戦争法案によって、自衛隊がいよいよ外国で銃口を開き、人の命を奪うことになります。憲法9条に違反する、違憲の戦争法案は絶対に廃案にしましょう。