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育児介護休業法改正について

育児介護休業法改正について

岩橋多恵弁護士 岩橋多恵

本年、通常国会(6月24日)で、育児介護休業法が一部改正されました。

1 主な改正点は、以下のとおりです。

  1. 3歳までの子を養育する労働者について、短時間勤務制度(1日6時間)を設置することが、事業主に義務付けられます。
  2. 3歳までの子を養育する労働者は、請求すれば、所定外労働(残業)が免除されます。
  3. 子(小学校就学前の子)の看護休暇制度が拡充されます。
    現行法は、1年の取得可能休暇日数が、労働者一人あたりを基準にして、子が何人であろうと通算5日ですが、改正法では、子が、1人であれば年5日、2人以上であれば、年10日となります。
  4. 父母がともに育児休業を取得する場合、休業可能期間が延長されます。
    (いわゆる「パパ・ママ育休プラス」と言われる制度)
    現行法は、父の場合、育児休業期間の上限は1年間、母の場合、産後休業期間をあわせて1年間です。改正法では、父母ともに取得する場合、子が1歳2ヶ月に達するまで延長されることになりました(但し、父母、どちらか1人しか育児休業をとらない場合は、現行のまま)。 改正制度をうまく活用すれば、たとえば、母が、産休、育休で合わせて1歳になるまで取得して、職場復帰の大変な時期に、父が1歳から1歳2ヶ月までの間、育休を取得するということが可能です。
    その他、父親の育児休業取得促進を目的とした改正には、以下の点があります。
    (1)配偶者の出産後8週間以内の期間内に、父親が育児休業を取得した場合には、特別な事情がなくても、再度の取得が可能となります。
    (2)労使協定であっても、配偶者が専業主婦(夫)や育児休業中である場合等の労働者からの育児休業申し出を拒めなくなります。
  5. 介護のための短期の休暇制度が創設されました。
    労働者が申し出ることにより、要介護状態(注1)ノ対象家族(注2)が1人であれば5日、2人以上であれば、年10日介護休業を取得できるようになります(注3)。この介護休暇の外、現行の介護休業が取得できることはいうまでもありません。
    注1負傷、疾病又は身体上もしくは精神上の障害により2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態
    注2配偶者の父母も含みます。祖父母、兄弟姉妹及び孫は、同居しかつ扶養していれば、対象となります。
    注3雇用期間が6ヶ月未満の労働者など一定の労働者は、労使協定で適用除外とすることができるとされています。

2 法律の実効性を担保するための改正として、以下の点も重要です。

  1. 厚労大臣は、勧告に従わない違反企業名の公表をすることができます。
  2. 報告を求められた場合、報告しない企業、虚偽報告を行った企業に対しては、20万円以下の過料の制裁が科せられることになります。
  3. 紛争解決援助制度として、都道府県労働局長に対し、援助(助言、指導、又は勧告)を求めることができ、また、調停委員による制度を設け、調停を申し立てることができるようになりました。
2009年12月