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アスベスト被害の救済へ~再び国の責任を断罪

アスベスト被害の救済へ~再び国の責任を断罪~

谷 文彰
2012年3月30日
弁護士 谷 文彰

「正義」を示した画期的な大阪地裁判決

「正義はどこにあるのか」-まさにそのことが問われた訴訟でした。大阪の泉南地域に存在した石綿紡織工場等で就労してきた労働者やその遺族55人が、国に対し、アスベスト被害についての賠償を求めた訴訟(大阪・泉南アスベスト国賠2陣訴訟)において、大阪地裁第8民事部は、本年3月28日、国の責任を明確に認め、原告らに対して合計2億円近くの損害賠償を命ずる判決を言い渡したのです。

今回の55名に先立って原告34名による同国賠1陣訴訟が提起されており、その第一審である大阪地裁第22民事部は、今回の第8民事部と同様に国の責任を明確に認めています。しかし、控訴審である大阪高等裁判所第14民事部は、「産業発展のためには国民の生命や健康が犠牲になってもやむを得ない」という驚くべき理由で国の責任を否定する不等判決を下していました。それから7ヶ月、これまでの判例法理を踏襲して生命・健康の尊さを改めて確認し、「正義」を示した本判決には、大きな意義があります。御奮闘された原告団・弁護団・支援者の方々には、心から敬意を表したいと思います。

今回の第8民事部の判決は、1陣訴訟で国を断罪した大阪地裁第22民事部の判決に続き、泉南地域における石綿被害についての国の責任を改めて断罪したことになります。国は、二度の司法判断を厳重に受け止めなければなりません。

被害救済に向け全国の弁護団と連携!

アスベスト被害に関しては、泉南地域のアスベスト被害だけでなく、建設労働者のアスベスト被害についての裁判も全国で闘われています。当事務所からも、弁護団長の村山晃弁護士をはじめ、大河原壽貴、秋山健司、谷文彰の計4名の弁護士が関西建設アスベスト京都訴訟弁護団に参加し、「あやまれ、つぐなえ、なくせアスベスト被害」、「命あるうちに解決を」を合言葉に、一日も早いアスベスト被害の完全救済を目指して、全国の弁護団や原告団と緊密に連携を図りながら取り組んでいるところです。もちろん泉南国賠の弁護団とも、アスベスト被害の救済に向けた取り組みを行っています。

本年は、アスベスト被害についての国や企業の責任を追及する裁判における判決が全国各地で連続して出されることになっています。近時、石綿粉じん曝露についての労災申請を却下した行政の処分を不当として取り消した判決も連続して出されました。これらの判決を機に、アスベストによって苦しむすべての方々を救済するための活動をますます盛り上げる必要があります。

当事務所としても、本年をアスベスト被害救済の新たな幕開けの年とすべく、今後も取り組みを強める所存ですので、みなさまのご支援をよろしくお願い致します。また、上記関西建設アスベスト京都訴訟の期日は、京都地方裁判所で下記のとおり開かれます。報告集会も毎回行われますので、社会全体の問題であることを裁判所に強く印象づけるためにも、ぜひ多数のみなさまに傍聴等にお越し頂ければ幸いです。

第5回期日
5月24日午後2時
第6回期日
7月12日午後2時
第7回期日
9月13日午後2時
第8回期日
11月1日午後2時
大阪地裁判決
2012年3月