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市民の司法実現の一年目にしよう

司法改革

市民の司法実現の一年目にしよう。

発足した司法制度改革推進本部

司法制度改革審議会が6月12日に司法制度全般についての改革案を答申したのを受けて、これを立法化するための司法制度改革推進法が、昨年11月9日成立し、12月1日から施行されました。

その内容は、司法制度改革審議会の最終報告を受けて、司法制度改革を総合的かつ集中的に推進するため、内閣に司法制度改革推進本部を設置する、本部長は内閣総理大臣が就任し、副本部長は関係省庁の大臣、本部員はすべての大臣をもって充てる、ここで司法制度改革推進計画を定めて閣議決定を経て、順次法案化していくというものです。推進本部は、設置してから3年を経過する日まで置かれると規定していますから、3年以内に必要な立法はすべて終える構想であることが分かります。推進本部は昨年12月4日に設置されました。

いよいよこれから3年間が司法改革にとって本当の意味で正念場となる訳です。

せめぎ合いの焦点

司法制度改革推進法は、国をあげて行財政の縮小化、合理化を進めている時に、「大きな司法」を提言している審議会意見書を尊重し、その線で司法制度改革を行おうとするものですから、基本的に賛成しうるものです。しかしながら、市民の司法を実現する上からはいくつかの問題点があり、これを改善させなければなりません。

改革は人権擁護の立場から

その第一は、司法制度改革の目的について、「国の規制の撤廃または緩和の一層の進展その他の内外の社会経済情勢の変化に伴い、司法の果たすべき役割がより重要になることにかんがみ、……」として、規制緩和政策に基づく司法改革であると位置づけていることです。これはたいへん問題な規定で、司法改革は国民の権利擁護・伸長のために行われるのだという原点を明確にする必要があります。この点は、衆参両院の付帯決議で、「人権擁護と社会正義の実現の観点を踏まえ……司法制度改革を推進」すべしということが強調されました。この観点からの立法が行われるように国民的監視と運動が必要です。

官僚主導をやめさせる

第二は、司法制度改革推進本部の構成員はすべての大臣です。それでなくても忙しい大臣が専門外の司法制度改革を積極的にリードできるはずがありません。結局事務局を担当する官僚任せになることは目に見えています。この構成は、一見重厚な布陣を構えたように見せかけて、実は官僚による改革サボりを可能にするものでしかありません。その点をも監視し是正させていく必要があります。

国民も参加した検討会を

第三は、司法制度改革審議会の最終意見は改革すべき制度の構想あるいは骨格を示しただけで、それをどう具体化するかについてはふれていない項目がたくさんあります。そうなったことについては理由があります。市民の司法を作ろうとする市民派委員が少数であったため、多数決に持ち込まれると財界や官僚出身の多数派委員に負けてしまうので、多数決に持ち込ませず、全員一致性の会議運営にしました。その結果、意見の分かれる所はほとんど積み残しになったわけです。

それで細目の具体化はこれからの作業になるのですが、それを行う「検討会」をいくつつくるか、そのメンバーを誰にするかがたいへん重要になってきます。国民代表を多数にさせなければなりません。

公開が何よりも大事

第四は、司法制度改革審議会では、審議の模様を報道機関にテレビ公開したり、議事録をすべて公開するなど国民の目に見えるところで、オープンに審議を進めてきました。そのことにより司法に対する国民の関心は大いに高まり、国民的論議が進みました。推進本部での立法作業もそのようにリアルタイムで公開をさせなければなりません。この点も衆参両院の付帯決議で強調された点でした。

今年は司法改革立法第一年目です。市民の司法実現に大きく前進する一年にしたいものです。

2001.12.2 司法改革をテーマとした番組(KBS京都テレビ)に川中宏弁護士が出演
2001.12.2 司法改革をテーマとした番組(KBS京都テレビ)に川中宏弁護士が出演
「京都第一」2002年新春号