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報復戦争を止めさせ、憲法を世界に発信して行こう

テロ問題と憲法

報復戦争を止めさせ、憲法を世界に発信して行こう

4ヵ月前の9月11日アメリカで起こった同時多発テロ事件以来、世界は大きく時代を逆行させました。アメリカのメデイアから繰り返し世界に放映された貿易センタービルの崩壊場面は、多くの人々の憎悪を呼び起こし、報復戦争支持の国際世論を高めました。軍国少年の如き小泉首相などは一気に誤った義憤を呼び起こしたようです。

報復戦争は国際法等に違反する

アメリカはこの度の武力行使については、自衛権の行使だと言っています。しかし国際憲章などで定める自衛権の行使は、相手が国家として、現に武力攻撃をかけてきているか、あるいはかけようとしている場合に、これを排除する限度でのみ認められるものです。今回は相手は国家ではなく、テロ行為は終わっていたのであって、これは既に70年代の国連総会でやってはならないと決議された復讐の戦争そのものです。アメリカだけが何をしても良いということは決してありません。

ところで、テログループの動機は、パレスチナの地でイスラエルがイスラム民族に対しミサイル攻撃をかけていることをアメリカが事実上支援していることへの抗議の意味もあるでしょう。また数年前、アフリカのアメリカ大使館が爆破されたことに対し、アメリカがアフガンやスーダンにミサイル攻撃をかけたことに対する報復の意味もあります。憎悪は憎悪を呼び、テロと報復攻撃は拡大再生産されます。その結果犠牲となるのは罪無き人々です。今回タリバン政権は倒れても、アルカイダなどのテロ組織は復讐心を募らせ世界に散らばることとなるでしょう。

自衛隊派遣よりも憲法を発信しよう

さて、次は我が国の問題です。国会では実に短期間で、テロ対策特別法が制定されました。これに基づき政府はまず自衛艦船の出動を命じ、その後で「基本計画」を国会に上程し、これも計画の内容、範囲については秘密を盾に、実質審議は殆どなされずに事後承認決議が採択されました。

舞鶴自衛隊への増強ぶりを見学する府政ウォッチングの一行
舞鶴自衛隊への増強ぶりを見学する府政ウォッチングの一行

そもそも自衛隊は憲法に違反する存在であるとする意見は学会の中などではなお多数派です。これを海外に派遣し、アメリカの無法な報復戦争に荷担させることは、憲法を二重に踏みにじる乱暴なやり方と言わざるを得ません。国民の中には、今回だけの時限立法であり、緊急事態であるからそう目くじら立てなくとも良いではないかとの意見もあります。しかし、もともと緊急、非常事態ということを口実に政府が暴走しないよう枠組みをしっかり設定するのが憲法です。緊急事態を理由に憲法をないがしろにすることは、アメリカからのお目見えは良くなっても、アジアやアフガンの人々との間では、信頼関係は大きく損なわれることとなります。また我が国の自衛隊の派遣は、国際的には一定理性が回復し、報復戦争に対する批判の意見が高まりつつあり、また戦争状態も終息に向かいかける時期に行われるもので、単に「ショウ ザ フラッグ」(旗を立てる)の為にのみなされるものであることが一層明確になっています。憲法を持つ主権国家として実に情けない姿だと言わざるを得ません。

アメリカを中心とした世界が時代に逆行し、憎悪と武力紛争がまかり通ろうとする時期にこそ、平和憲法を持つ我が国が積極的にその憲法の理念を世界に発信させていくべきです。21世紀をテロと報復戦争の時代としない為に、今こそ私たちは、報復戦争、自衛隊派遣反対の声を大にして叫ぼうではありませんか。

10.23 京都府民大集会でテロ糾弾!報復戦争反対!を訴える青年
10.23 京都府民大集会でテロ糾弾!報復戦争反対!を訴える青年
「京都第一」2002年新春号