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融資しなかった銀行に賠償金判決

[事件報告3]

融資しなかった銀行に賠償金判決!

X会社は、月末の仕入代金の支払いのため、融資を受ける準備をしていたところ、それまで付き合いのなかった大手都市銀行であるA銀行京都支店から5000 万円の融資話を持ちかけられました。さっそく副支店長が来店し、融資額、利率、実行日、返済方法、預金額まで決め、融資前日には契約書類に署名押印まで終わり、いよいよ明日の実行を待つばかりになりました。ところが翌日、まてども連絡はこず、結局午後2時40分過ぎになって銀行担当者から、まだ決済がおりていないことを知らされました。そして担当者から返済方法を変更して決済を取りたいといわれ、あわてたX会社はA銀行へ社判をもって経理担当を走らせました。しかし、午後3時を過ぎてから、融資額のうち3000万円は預金をするのが条件だと伝えられ、当然不渡りとなりました。

X会社は、その夜から債権者が押し寄せ、次々と傘下の優良店を売却するなどして支払いをし、急場をしのぎました。A銀行をどうしても許せない社長さんは訴えを提起しました。

これは融資契約が成立している、そうでないとしても融資予約契約が成立しているのではないかと訴えました。また、通知するのが遅すぎるので通知義務違反であると主張しました。一方A銀行は、決済を通過しなければ融資できないことは社会常識である、融資契約が成立しているなどとんでもない、またそもそも自力で手形決済資金が用意できない会社の方が問題だと居直りました。

判決は、通知義務違反を認め、銀行に金3300万円の賠償を命じました。双方から控訴し、現在大阪高等裁判所で審理中です。

銀行の横暴は何も珍しいことではありませんが、この件は本当にひどい事件だと思います。なお、X会社は現在も頑張って商売をつづけています。

「京都第一」2003年新春号