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グレーゾーン金利撤廃へ ―多重債務問題一歩前進

[事件報告2]

グレーゾーン金利撤廃へ ―多重債務問題一歩前進

金融会社が並ぶテナントビル貸金業の貸出金利を規制する法律は2つあります。1つは利息制限法です。この法律では元本金額により15~20%の上限金利を定めていますが、罰則がなかったため貸金業者の多くはこの法律を無視してきました。一方、出資法という法律は貸付金利が年利29.2%を超えるときに罰則を課しています。この2つの法律が定める金利の間が「グレーゾーン金利」と言われ、貸金業者の多くは「みなし弁済」という制度を根拠に「グレーゾーン」を適法と言い張り、出資法の罰則金利ギリギリの高利率で貸付を行ってきたのです。

去年の1月、貸金業者の規制と多重債務者の救済を求める世論に押され、最高裁判所が事実上「みなし弁済」を否定する判決を出しました。その判決を受け、行政、国会も制度の改正に乗り出しました。しかし、貸金業者の支援と圧力を背景にして金融庁、自民党から出てきた案は「グレーゾーン」を撤廃する代わりに貸金業者を救済する「特例金利」を設けるとともに、利息制限法の上限金利を引き上げるという改正に名を借りた制度改悪でした。

これを受けた世論は沸騰し、日本弁護士連合会が中心になって行った署名運動(当事務所でも沢山の方々に署名に協力していただきました)を始めとして旺盛な金利引き下げを求める運動を広げてきました。京都弁護士会でも大手消費者金融本社前の街頭署名を含めた署名運動、金利引き下げを求めるパレード等多彩な活動を行いました。その結果、政府与党は改悪案を撤回せざるを得なくなり、昨年の臨時国会で「グレーゾーン金利」を撤廃して利息制限法の上限金利に一本化、貸金業者が借り主に生命保険をかける制度の禁止、執拗な電話・訪問による取り立てを夜間に加えて日中も禁止することになり、多重債務問題で貴重な前進を勝ち取ることができました。貸金業者の跋扈を許さない世論が政治を追いつめた結果と言えるでしょう。署名を始め、運動にご協力頂いた皆様に厚く御礼申し上げます。

「京都第一」2007年新春号