京都第一

10・24平和憲法を守る講演の集いレポート

10・24平和憲法を守る講演の集いレポート

10・24平和憲法を守る講演の集いレポート

憲法そのものについて知ってほしい、眉間にしわを寄せて考えるのでなく、楽しいうちにわかってしまうことはできないか、そんな思いで、この集いを企画しました。タイトルは、「憲法の力、平和の力」。過激すぎる風刺でとてもテレビには出演できないパントマイマーの松元ヒロさん。「憲法の伝道者」の異名を持つ伊藤塾塾長の伊藤真さん、最強のお二人をお招きしました。

パントマイマーの松元ヒロさん 昨年10月24日、ハートピア京都はほぼ満員となりました。ヒロさんのパフォーマンスに会場は爆笑の渦。高校時代に駅伝で都大路を駆け抜けたというしなやかな身体の動きと抜群の風刺。小泉元首相、安倍前首相、石破防衛大臣、さる高貴なお方まで。庶民は腹立たしい現実を笑い飛ばして明日に向かわねば! 笑えばナチュラルキラー細胞が悪い細胞を喰ってしまうのだ。悪い政治も喰ってしまおう。ヒロさんが憲法の気持ちになって演じる「コント憲法くん」。古くなったからなんて言ってリストラしないで。ボクが生まれたときのことを思い出して、もっともっと使ってほしい。ヒロさんの憲法前文朗読。とてもカッコいいです。じーんときました。

伊藤さんの「手習い憲法」 笑いと感動のあとは伊藤さんの「手習い憲法」。憲法は国民を縛るものでしょうか。いいえそうではありません。国家権力を制限して、人権を保障するものが憲法です。現代の憲法は、多数者、強者に歯止めをかけて、少数者、弱者を守るためのものです。多数派であるならば少数派に対する想像力がなければならない。また、いつも多数派であるとは限らない、少数派になることもある。人にはいろいろな面がある。その多面性をお互いに認め合うことが個人の尊重、平和主義。武力によらない平和の実現に貢献することが、憲法のいっている国際貢献。世界に誇れる先進的な特長です。憲法は、戦後日本のめざす理想を世界に宣言したものです。現実と合わないから理想のほうを変えてしまえとはおかしな話です。「憲法を変える」といった小泉元首相のおかげで、憲法のことを議論する場が増えました。これをチャンスにいつでもどこでも憲法の話をしよう。居酒屋でも憲法の話をしよう。頭でわかろう、心で感じよう。憲法は実践するためにあり。

講演会場様子 参加された会場のみなさんからは多くの感想が寄せられました。そのほとんどが憲法についてよくわかった、これからも学びたい、人と話をしてみようという感動の声でした。ヒロさん、伊藤さんの声は参加されたみなさんの心にまっすぐに届いたようです。私たちはこれからも、みなさんと憲法について学び、憲法の理想が現実とはなれているならば、少しずつでもその理想に近づけるように努力していきたいと思います。ぜひ憲法実践の場でお会いしましょう。

「京都第一」2008年新春号