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教員の無定量な超過勤務は安全配慮義務違反

教員の無定量な超過勤務は安全配慮義務違反―京都市に損害賠償を命じる判決―

村井 豊明弁護士 村井 豊明

超過勤務訴訟公判報告集会 去る4月23日、京都地裁は教員に無定量な超過勤務をさせているのは安全配慮義務違反であるとして、京都市に対し55万円の損害賠償を命じる判決を言い渡しました。これは全国初めての画期的な判決です。

判決は、京都市に対し教育委員会や校長を通じて「教育職員の勤務により健康を害しないように配慮(管理)すべき義務(勤務管理義務)を負っている」、「教育職員が従事した職務の内容、勤務の実情等に照らして、週休日の振替等の配慮がなされず、時間外勤務が常態化していたとみられる場合は、本件勤務管理義務を尽くしていないものとして、国家賠償法上の責任が生じる」として、教員(原告)9名のうち1名についてその義務違反を認め、損害賠償を命じたのです。

ところで、法律や条例などでは、教員に対しては原則として時間外勤務をさせないことになっていますが、実態は全く異なります。昨年の文科省の調査でも、多くの教員が長時間の時間外勤務を行っている実態が明らかになっています。教員が多忙過ぎて、腰を据えて教育に取り組むことも、子どもたち1人1人と向き合った教育をすることもできないのです。京都市は、この判決を厳粛に受け止め、教育現場の実態を早急に改善する必要があります。

「京都第一」2008年夏号