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労働災害後遺症の男女差別の解消を求めて

[事件報告2]

労働災害後遺症の男女差別の解消を求めて

1995年、Aさん(男性、当時21歳)は、勤務中に高温(1000℃以上)の溶解炉から吹き上がった金属を浴びるという事故により大火傷を負いました。Aさんの身体には、顔や胸・腹部など広範囲に酷い火傷の後遺症が残りました。これについて、園部労働基準監督署長は、労災保険の障害等級表併合第 11級に該当すると認定しました。

ところが、これが女性であれば5級の認定となります。労災保険では、外貌(顔や頸など日常露出している部分)の醜状(皮膚などに残った醜い痕)について、男性と女性の等級に差を設けているからです(外貌の著しい醜状障害について、女性7級、男性12級。外貌醜状について、女性12級、男性14級)。厚労省は、「社会生活において醜状障害により受ける精神的苦痛は、女子のそれが男子のそれに比較して大であるという社会通念に基づく」と解説しています。しかし、そのような社会通念の根拠となる資料やデータはどこにも見あたりません。醜状後遺症によって受ける精神的苦痛の大きさは、人それぞれであり、男性と女性とで区別できるものではありません。これは、明らかな男女差別であり、性別による差別を禁止した憲法14条に違反しています。

Aさんは、2008年9月、国を被告として、処分取消訴訟を提起しました。男性も女性も同じ補償を受けられるよう裁判へのご支援をお願いします。

「京都第一」2009年新春号