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事件報告2:同僚のいじめによる「適応障害」発症を労災と認定

事件報告2:同僚のいじめによる「適応障害」発症を労災と認定

入社当初からのいじめ

Yさんは社会福祉法人の職員に新規採用されました。しかし、この職場では以前から一部の職員がグループを作って他の職員をいじめる構造があり、やがてYさん自身が意味もなく怒鳴られたり、仲間はずれにされたり、仕事のミスをでっち上げられる等のいじめのターゲットにされました。そして、入職1年目の面接の際にYさんがいじめの事実を上司に申告したことがいじめグループに知れると、いじめはさらにエスカレートし、Yさんは休職に追い込まれてしまいました。事業所はこのようなYさんを解雇するという暴挙に出ました。

上司がいじめを放置

上司へのいじめの事実申告がいじめグループに筒抜けになったように、この事業所では使用者のいじめ問題に関する認識が著しく欠如していました。その上、この事業所では、これらの職員に対して適切な注意や処分を行っておらず、いじめを放置していました。

労災申請の工夫点

Yさんの入職後のシフト表なども参照してもらいながら、具体的ないじめの事実をなるべく日付を特定して挙げていってもらいました。Yさんは精神的には辛い状態が続いていましたが、いじめの状況をよく覚えており、Yさんのお父さんも全面的に協力して下さったので、かなり詳細な「いじめの記録」ができ、それを元に打ち合わせを重ねて20ページ近い陳述書を完成させました。また、Yさんがいじめに耐えられずにお父さんに電話した際、お父さんが電話越しにいじめグループがYさんを怒鳴りつける様子を聞いていたため、お父さんの陳述書も作成しました。

解決

このような努力の結果、休職から1年半後に、Yさんの労災認定がされました。事業所は解雇を撤回せざるを得なくなりましたが、Yさんの希望にもかかわらず、職場秩序の回復や謝罪をせず、Yさんの職場復帰を実質的には拒否する姿勢を取りました。そこで、約4年分の賃金額に相当する解決金(実質的な退職金)を支払わせる和解が成立しました。Yさんもだんだん病状が回復し、今では少しずつ仕事に就けるようになってきたそうです。

「京都第一」2013年新春号