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コラム:生活保護制度の改悪を許すな!

コラム:生活保護制度の改悪を許すな!

生活保護費の理由なき削減

生活保護基準は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準であり、国民に保障された生存権そのものです。簡単に削減が許されるものではありません。

ところが、政府は、2013年度予算で生活保護の生活扶助基準を3年間で総額670億円削減することを決めました。削減幅は平均6.5%(最大10%)で、この基準引き下げによって受給額が減る世帯は96%に上り、今回は前例のない大幅引き下げになります。

削減の理由は2008年の物価水準との比較とされています。しかし、2008年は原油高のため物価が特に上昇していた時期であり、この比較は誤りです。2002年から2007年までの水準と比較すると、引き下げの対象となっている食費や水道光熱費等の物価水準はむしろ上昇しています。

生活保護制度をさらに利用しにくく

現在、生活保護基準を下回る生活をする世帯で、実際に生活保護を申請して受給をしている世帯は2割に満たないものです。受給が抑制されている理由については、生活保護に対する社会的な偏見や、受給に際して親族への扶養に関する調査がなされることなどが指摘されてきました。さらに、申請を受け付けずに「相談」として処理し、親族に援助を求めるよう指示するなど不当に窓口から追い返す、行政の違法な「水際作戦」が餓死事件を引き起こすなど深刻な人権侵害を引き起こしてきました。

ところが、政府・与党は、こうした生活保護行政を反省するどころか、生活保護の申請方法について書面によるものとして厳格化し、また親族の扶養を事実上の要件とする法改正を進めており、「水際作戦」の合法化を進めようとしています。

憲法25条を活かした政治を

これまでの生活保護行政に対しては、国連の社会権規約委員会からも、申請手続の簡素化と生活保護受給者の尊厳が守られるべき措置を取るよう勧告を受けています。

安倍政権が進める生活保護制度の改悪は、生存権を実質的に侵害するものであり憲法25条に違反します。

格差社会や貧困化に歯止めを掛け、憲法25条を活かした政治が求められています。

「京都第一」2013年夏号