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労働事件 特集4:中央労働委員会で逆転勝利

労働事件 特集4:中央労働委員会で逆転勝利

京都生協とパート労組は、パート組合員の1年毎の契約更新時、まず労使で「覚書」を締結し、その後個々の契約更新を行うという労使慣行を20年以上続けていました。この覚書は、労働条件の不利益変更を防止するという重要な意味がありました。ところが、2013年末、生協は、組合との協議を排除する内容の覚書案を提案しました。

パート労組は、従前どおりの覚書に戻すよう主張しました。すると、生協は、労使慣行を破って、覚書の締結のないまま契約更新手続を進めようとしました。パート労組は、従前通りの覚書が締結出来るまでは、更新契約書を提出しないという方針を決めました。

すると、生協側は、契約更新手続を強行するため、執行部の言動を貶める内容を記載した申し入れ書面を次々と作成し、業務文書と同様に職場に掲示したり、回覧させたりしたのです。例えば、協議の場で、執行部が「私たちはこの(覚書の)内容で理解できるが、 代議員に納得させる自信がないので、人事教育部が代議員会に出席し説明して欲しい」と述べたなど、事実を歪曲した発言を記載したのです。実際には、執行部に「私たちも納得できないのに、説明できるはずがない」と述べていました。これら書面は、組合員の執行部に対する信用を揺らがせ、組合内部に分断をもたらそうとするものです。組合の内部対立をあおろうとする生協の行為に対し、パート労組は団結を守り、多くの組合員が更新契約書を提出せずに闘いました。

残念ながら地労委では申立は棄却されてしまいましたが、パート労組は翌年以降も更新契約書を提出しないという方針を貫き、闘い続けました。その結果、中央労働委員会では、生協の作成した書面の文言の一部につき極めて不適切であると認定し、不当労働行為であることを認めたのです。

生協側は、地労委でも中労委でも、和解の勧めに頑として応じませんでした。そして、中労委の命令に対しても、解決を求めるパート労組の申し入れを無視し、不服があるとして取消訴訟を提訴しました。正常な労使関係を取り戻すために、今後も闘いを続けていきたいと思います。(弁護団:大島・尾﨑)

弁護士 尾﨑 彰俊

「京都第一」2017年夏号