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労働事件 特集5:青いとり保育園訴訟、控訴審へ

労働事件 特集5:青いとり保育園訴訟、控訴審へ

京都市立病院の院内保育所の保育士らが委託先変更に伴い退職を余儀なくされたため、病院及び京都市を被告として損害賠償を請求した事件について、2017年4月19日に原告らの請求を棄却する判決がありました。

判決は、「保育園児の健全な発達にとって、保育の継続性が重要なものであり、そのような保育の継続性の観点から保育士が大幅に入れ替わることが好ましくないことは些かも否定されるものではない」と保育の継続性において雇用継続が重要であることを認める一方、「保育の継続性は、保育を受ける子ども及びその保護者の利益であって、原告らの雇用継続への期待権を直接に基礎付ける事情であるとまでは直ちにはいい難い」とする極めて矛盾に満ちたものでした。保育の継続性に対する子どもたちと保護者の利益を一体誰がどのように守るのか、本判決は何らの解決策も示していません。

証人尋問では、新たに委託を受けたアートチャイルドケア㈱が、審査段階では職員の雇用継続を表明していたことも明らかになっています。同社に雇用継続のための措置を取らせなかった病院及び京都市の無責任な対応はいよいよ明らかになっています。

この判決の9日前、4月10日の国会では、国立病院機構の院内保育所の委託先変更に関する日本共産党本村伸子議員からの質問に対し、塩崎厚生労働大臣は「院内保育所に勤務する保育士については、現在の事業者から次の事業者に雇用を継承することによって、引き続き同じ職場で勤務が継続できるようにすることを第一として、万全を尽くして子どものためにも保育士のためにもスムーズな移行ができるようにして参りたい」と答弁しています。問題はそれを確実に行うための法的なルールを整備することです。

子どもたちを悲しませ、保護者を不安に陥れる事態を二度と繰り返させないために、控訴審での勝利と、保育士の雇用の安定を図るルール作りを目指して、これからも頑張ります。

(当事務所からは、浅野・大河原・藤井・谷・高木の5名が弁護団に加わっています)

弁護士 藤井 豊

「京都第一」2017年夏号