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関西電力争議、全面勝利解決

関西電力争議、全面勝利解決

荒川 英幸弁護士 荒川 英幸

長期闘争を耐え抜き、ついに巨大な関電に勝つ

30年に及んだ関電争議は、1999年12月8日、大阪地裁における一括和解の成立によって、全面的に解決しました。日本有数の巨大企業である関西電力は、日本共産党員やその支持者である労働者を職場から排除することを狙い、1969年以降、ビラまきへの処分、監視や尾行、盗み取り、職場での孤立化、賃金差別などの全社的な攻撃を加えてきました。

しかし、闘う労働者たちは会社の攻撃に毅然と立ち向かい、ビラ処分裁判、人権裁判、京都・神戸・大阪・和歌山の各地裁における賃金是正裁判を闘い抜いてきたのです。

特に、1995年9月5日の人権裁判最高裁判決は「職場における自由な人間関係を形成する自由」という新たな権利概念を認める画期的内容となり、差別と闘う全国の労働者を激励するとともに、職場での活動の大きな武器となりました。

しかし、関電は最高裁判決後も差別責任を認めませんでした。

それどころか、多数の元上司を証言台に立たせ、客観的証拠もなく、時には、あからさまな嘘まで交えて、原告らの賃金や資格が最低ランクなのは、能力や成績が悪い結果であるなどと言わせたのです。これに対し、原告団は苦労して収集した証拠にもとづいて会社側の嘘を徹底的に追及。弁護団の反対尋問に証言台で絶句してうろたえる会社証人の姿は、真実と正義がどちらの側にあるのかを明白に示しました。

かような関電の引き延ばし策動に対し、法廷での審理促進や賃金台帳の提出命令の申立などの闘い、第二次提訴、全国的な支援運動や本店包囲行動などによって、徹底して関電を追及。ついに、今回の全面勝利和解を獲得したものです。

画期的な和解内容

今回の和解内容は、

  1. 権裁判も解決の対象に含めて、「憲法及び法律に従って他の従業員と公平に取り扱う」「基本的人権を尊重する」ことを和解条項で会社に約束させた。
  2. 原告でない40名を含めた101名の争議団全員の権利を回復させた。
  3. 在籍労働者の資格・賃金などの処遇を見直すとさせた。
  4. 裁判の請求額の約9割にあたる12億円の解決金を獲得した。
  5. 賃金差別事件の判決を待たずに解決を実現した。

という点において、画期的な意義があります。

この成果は、長期にわたる過酷な闘いにおいて1名の脱落者も出さなかった争議団の奮闘はもとより、統一弁護団・支援組織との連帯、全国的な支援、各地の賃金差別訴訟の成果などが結晶したものです。現在、関電には原発や公害など国民生活に直結する重大な問題が存在しており、争議団は、この和解勝利を出発点として新たな闘いを開始する決意をしています。

京都における闘い

京都地裁においては、1989年1月31日に5名の原告が第一次訴訟を提起した後、1996年8月30日に4名の原告が第二次訴訟を提起。4地裁で闘われていた統一訴訟の中で最も早く審理が進み、1999年12月の期日で第一次訴訟の証拠調べが終了するという結審直前の段階まで関電を追いつめていました。

事務所では、京都事件の弁護団長の村山晃弁護士が入所した1971年以降、争議のほぼ全過程にわたって弁護団として支援してきましたが、賃金裁判の第一次提訴から荒川英幸・浅野則明弁護士が弁護団に加わりました。

東電、中電、そして関電と、電力職場における闘いは労働者が勝利しました。しかし、今この瞬間においても、リストラの嵐の中、全国各地で多数の労働者が「隔離部屋」などの攻撃と闘っているのが日本の現実です。憲法の基本的人権を職場に確立させ、一切の差別・分断をなくすために、今後も奮闘したいと思います。

2.11関西電力争議全面勝利報告集会
2.11関西電力争議全面勝利報告集会
「まきえや」2000年春号