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インターネット被害

[事件報告 5]

インターネット被害

秋山 健司弁護士 秋山 健司

インターネット被害

今日、一世帯当たりのパソコン普及率は57.2%にも及ぶと言われていますが、それに伴い、インターネットの利用率も高まっているようです。そのような状況の中で、インターネット利用上のトラブルに関する法律相談が増えてきています。

インターネット被害の態様

インターネット被害と一口に言っても、様々な形態があります。ネットショッピング・オークションにおける詐欺事例、架空請求事例、出会い系勧誘事例、ギャンブル勧誘事例、ネズミ講勧誘事例、等々です。今回はこれらの内、ネットショッピング・オークションにおける詐欺事例、架空請求事例を取り上げてみたいと思います。

インターネット被害事例その1

ネットショッピング・オークションにおける詐欺

最近、インターネットオークションサイトにおいて、落札し、代金を振り込んだのに商品を送ってもらえないという事件が相次いでいます。インターネットオークションでは代金先払い形式での販売が通常であるため、このような被害は今後も増えていくことが予想され、社会問題となりつつあります。中には、発送することを装って代金を振り込ませ、商品を発送しないという詐欺的なケースがあります。これが冒頭に記したネットショッピング・オークションにおける詐欺事例です。同一人間による被害が多数発生し、その人間が出品時において経済的破綻状態であった場合などは、出品者に「出品しても配送しないことになるかもしれないが、それでもいいや」という未必の故意があったと認められる場合が多いでしょう。

問題点、今後の展望等

インターネットショッピングサイト、オークションサイトでは、代金先払い式のシステムのものが多く、それ故このようなケースが多発する危険は元来高かったものと思われます。

詐欺事例の場合、出品者側は支払不能ないしそのおそれのある状態に陥っている場合が多く、これらの者の資産から被害者の救済を実現するのは困難です。

従って、今後は、このような悪徳業者がショッピングサイト、オークションサイトに入り込むという危険につき、サイト設営者が何らかの防止措置を執らなかった故に購入者に損害が生じた場合、損害賠償義務を負うのではないか、ということが大きな社会的・法的な問題になっていくものと思われます。今のところは日弁連の消費者問題対策委員会でもここまでの議論は進んでいないようですが。それだけに、インターネットを利用して取引を行う場合は大変危険を伴うものだということを自覚する必要がありますし、利用した後に被害が発生した場合、消費者の権利をいかにして守っていくかは、これからの課題が山積している分野だといえるでしょう。被害が発生したと思われた場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

インターネット被害事例その2

架空請求

これは、「ご利用になった有料サイトの利用料がまだ払われていません。プロバイダーから貴方の住所・氏名・勤務先の情報を頂いております。至急ご入金頂けなければ勤務先にまで訪問します」などというメールないし請求書を手当たり次第で送りつけ、騙され、或いはおびえた相手方から金銭をだまし取る、というケースです。

この手の詐欺犯に対しては、完全無視が一番の対処方です。詐欺犯は、当てずっぽうにメールアドレスを打ち込んだり、電話を掛けてきたり、手当たり次第に虚偽の通知を送りつけているのが実態のようです。自分には覚えがないが、ひょっとしたら子どもが利用したのだろうなどと思い込んだり、あるいは脅し文句が書いてあるので不安になったり、怖くなったりして、その通知に反応してきた人こそ、詐欺犯にとってはいいカモなのです。反応すれば、詐欺犯は言葉巧みにすかし、脅し、お金を搾り上げにくるでしょう。「貴方から払わないなら従業員に取りに行かせる」と言われても心配しないで下さい。もし来れば詐欺の実行犯として逮捕される可能性があることを詐欺犯が一番よく承知しているはずですから。

ただ、送りつけられた手紙やメールは保存しておくとよいでしょう。警察に届出することが有効な対策になる場合もあり、その場合有力な証拠になるからです。

「まきえや」2004年春号