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京都の山 標高ベスト10を登る 第4回 鎌倉山

京都の山 標高ベスト10を登る

第4回 鎌倉山(950.5m)
浅野 則明弁護士 浅野 則明

今回は京都府下標高第4位の鎌倉山を紹介します。前に紹介した第2峰の峰床山の約2.5km東北に位置しています。この山に登るときは、少々健脚な人であれば峰床山とセットにして2座を縦走することができます。しかし、峰床山ほどに有名ではなく、むしろ地味な山になっているため、あまり登山者も多くなく、静かな山となっています。

登山ルートは2つあり、ひとつは葛川坊村の登山口から尾根を登るルートで、もうひとつは峰床山に登るルートである葛川学校前から伊賀谷林道を遡り、二股から中村乗越を経て八丁平に至り、オグロ坂峠から稜線伝いに登るコースです。この2つのルートは周遊コースになっているので、一方から登って他方に下るというのが一般的な登山コースとなっています。今回は、坊村登山口から登り、オグロ坂峠-八丁平-中村乗越を経て、葛川学校前に下りてくるコースを紹介します。

坊村登山口から登る

皆子山や峰床山と同じように、7時45分出町柳発(土日祝のみ8時45分発もある)の朽木行き京都バス(8時44分JR堅田駅発江若バスでもよい)に乗り、坊村バス停で下車します。この坊村は、武奈ヶ岳に登る御殿山コースや、明王谷を遡り比良の山々に登る明王谷コースの登山口になっています。出町柳でバスに乗った乗客の多くは、この坊村で下車し、比良に向かいます。鎌倉山は、安曇川を挟んで比良とは反対側に位置しているのですが、この山に登る人はまだまだ数少ないようです。

バス停から安曇川にかかる曙橋を渡り、広い駐車場を右手のキャンプ村の方向に進むと、すぐに「水神社」の鳥居が見え、その手前には湧き水があります。

坊村登山口にある水神社と湧き水
坊村登山口にある水神社と湧き水

その前を通過すると、左手に「鎌倉山・ブナ平」と書いた登山口の標識が立っています。

登山口にある鎌倉山への案内標識
登山口にある鎌倉山への案内標識

この標識に従って鎌倉谷に沿った林道を歩いて入ります。この鎌倉谷を詰めて行くと、源頭から府県境界尾根に達して、北上して鎌倉山頂に到達することもできるようですが、現在は、鎌倉山の東尾根に登山道が整備されているので、ほとんどの登山者がこの登山道を通ることになります。

鎌倉谷に沿って少し行くと、「登り口」と書いた標識があり、ここから谷を離れて右手の尾根に取り付くことになります。最初から急な階段の登りになっていますので、気をつけながら、一歩ずつ登ります。すぐになだらかな道となり、途中に「ミツバチの巣箱の設置をお断り 山主」という看板がかけてあります。

ミツバチの巣箱の設置お断りの看板
ミツバチの巣箱の設置お断りの看板

こんな山中にミツバチの巣箱をかける人がいるのでしょうか。ミツバチの巣箱を設置すると熊が近寄ってくるからということなのでしょうか。「ハチ注意」の看板なども見られますが、登山道は整備されています。しばらくは登山道の両脇を見ると、葉っぱのツヤツヤしたイワカガミが見られます。4月から5月のGW連休の頃には、ピンクの花がたくさん楽しめる場所です。

もみじ平からぶな平へ

間もなく林道に出合います。ここがもみじ平と呼ばれるところのようです。

もみじ平(左手に林道が見える)
もみじ平(左手に林道が見える)

以前はもみじがたくさんあったのでしょうが、今は林道が通っており、その面影がなくなってしまっています。林道を横断すると、登山道は階段のようにぶな平に向けて登っていきます。ちょっと振り返って見ると、比良の御殿山が目に入ってきます。

もみじ平から振り返ると御殿山が目に入る
もみじ平から振り返ると御殿山が目に入る

階段を登っていくと再び雑木林の中の整備された登山道となります。このあたりから、ミズナラ、コナラ、そしてブナの木々が増えてきます。モミの結構大きな樹木もあり、心地よい尾根道が続いています。やがて、平らな広場のようなところにやってきます。ここがぶな平と呼ばれている場所です。

雑木林の中にあるぶな平
雑木林の中にあるぶな平

ここでちょっと休憩するのがよいでしょう。新緑の頃には、木々が緑の葉をたくさん広げ、その間から太陽の光が差し込んできます。耳を澄ますと、鳥のさえずる声も聞こえてきて、実に気持ちのよい場所です。

鎌倉山山頂をめざす

ぶな平で休憩した後、再び歩き始めましょう。雑木林の中の登山道は、やがて植林地の中に入っていきます。ちょうど、葛川少年自然の家が設置した「鎌倉山へ」という標識があるので、これに従って進みます。やがて植林帯を抜けると、右手が雑木に変わり、すぐにシャクナゲがたくさんある尾根になってきます。ここが鎌倉山のシャクナゲ尾根です。ちょうどGW連休の頃にシャクナゲが満開になり、ピンクと白の花をたくさん咲かせています。機会があれば、その頃に訪れるとよいでしょう。

たくさんの花をつけるシャクナゲ(石南花)
たくさんの花をつけるシャクナゲ(石南花)
可憐なピンクのイワウチワ(岩団扇)の花
可憐なピンクのイワウチワ(岩団扇)の花

シャクナゲの群生地を抜けると、再びイワカガミやイワウチワの群生している場所に出ます。4月下旬の頃にはピンクの可憐な花をつけたイワカガミやイワウチワが出迎えてくれるはずです。登山道は雑木林の中にきちんと続いており、細い尾根を登っていきます。このあたりも心地のよい登り道で、空が近くに見えてきて、もう少しで山頂に到達することを窺わせます。

鎌倉山山頂から稜線の樹林を楽しむ

やがて鎌倉山山頂に到着します。山頂は疎林に囲まれた広い台地になっていますが、その中心に三等三角点が設置してあります。

鎌倉山の三等三角点(950.1m)
鎌倉山の三等三角点(950.1m)

ここは京都府と滋賀県の府県境界線上になっています。この三角点は明治23年5月に埋標されたものですが、右角が欠けています。この広場にある樹木には、プレートが何枚も架けられており、登山者が少ない割には、思い入れをもって登ってくる人が多いことを窺わせてくれます。山頂広場は、疎林のため、明るくなっており、お昼ごはんにはもってこいの場所ではないでしょうか。

鎌倉山山頂にはたくさんのプレートがかけられている
鎌倉山山頂にはたくさんのプレートがかけられている

さて、山頂で休んだ後は、府県境界の尾根を歩いて、オグロ坂峠をめざします。この稜線は実に美しい樹林帯になっていますので、是非とも歩いてほしいところでもあります。山頂からは下りますが、アップダウンを何度も繰り返すことになります。ミズナラ、コナラ、ブナの樹林が立ち並び、美しい林を形成しています。間もなく大きな杉がある鞍部に着きます。これが千年杉といわれる台杉です。

千年杉(台杉)
千年杉(台杉)

千年杉という標識があるので、それとすぐ分かります。稜線は南方向に進んでおり、所々左手に展望が開ける所があり、比良連山が見えます。少し景色を楽しみながら、小さなアップダウンを繰り返します。登りは少ししんどいけれど、下りはきれいな樹木の中を通るので、気持ちが癒されます。

きれいな樹木の中を通る登山道
きれいな樹木の中を通る登山道

やがて尾根道は西寄りにほぼ直角に曲がる場所に出ます。この場所で道を間違えないように注意しましょう。

ここからは緩やかな下りになっています。次第にブナの木が増えてきたかと思うと、オグロ坂峠に着いてしまいます。

オグロ坂峠から八丁平へ

ブナの木が茂るオグロ坂峠は実に峠らしい峠になっています。鎌倉山からの稜線からポンと降り立った峠は切り通しになっています。このオグロ坂峠について、故金久昌業氏の名著「北山の峠(上)」には次のように書いてあります。「オグロの坂の峠は鎌倉山から峰床山に連なる尾根の低い部分を越す切り通しの峠である。少し開き目のV字型に截然と稜線上からきりこまれている、いかにも峠らしい峠である。

オグロ坂峠の標識
オグロ坂峠の標識
V字型に切り込まれているオグロ坂峠
V字型に切り込まれているオグロ坂峠

広尾根なので切通しの部分が長いが、現代の機械を使って切り開いた車道の切り通しではないだけに殺伐な不自然さはない。長い年月の間に自然にこんな格好になったという感じである。この切り通しの中央には小さな石地蔵が一体石に囲まれて蹲踞している。磨滅していてかなり古いものである。」

よく観察してみると、オグロ坂峠付近はブナの木、それも結構大きな樹がたくさんあります。そして、切り通しのほぼ中心部分にお地蔵さんが祀られた祠があります。祠の中のお地蔵さんはかなり摩耗していて彫りがよく分からなくなっています。

オグロ坂峠の祠にあるお地蔵さん
オグロ坂峠の祠にあるお地蔵さん

この峠のすぐ下に湧き水があります。ここで少し休憩しながら、冷たい湧き水で汗を拭いましょう。

オグロ坂峠からは、右手に峰床山に通じる登山道が延びていますが、今回は南に下る六尺道と呼ばれる遊歩道を通って八丁平に向かいます。

八丁平湿原の東側を通る六尺道
八丁平湿原の東側を通る六尺道

六尺道の途中には大きなモミと杉の木があり、手彫りになっている古い立て札があります。ここを右手に進むと八丁平湿原の北側を回ってクラガリ谷に至りますが、ここはまっすぐ南に進みます。この道は、六尺、つまり幅員が1.8mくらいで広く歩きやすい道となっています。間もなく、木で作られたベンチがあり、そのそばに「京都の自然200選・八丁平」の標識柱が立っています。

京都の自然200選・八丁平
京都の自然200選・八丁平

中村乗越から葛川学校前まで一気に下る

さて、八丁平から離れて、中村乗越(峠)に向かいます。先ほどのベンチのところに、「伊賀谷を経て中村3.5km」という道しるべがあるので、これに従って雑木林の中を登ると5分ほどで中村乗越に着きます。

中村乗越に着きました
中村乗越に着きました

ここは、京都府と滋賀県との府県境になっています。東側の展望が開けていて、比良連山の武奈ヶ岳や蓬莱山を垣間見ることができます。

中村乗越からは下りになります。最初は雑木林の中を下りますが、植林帯の中に入ると登山道がジグザグになっています。やがて、水場に出会うところで、一旦樹林帯から出て、少しトラバース気味になりますが、再び植林帯の中に入り、ジグザグに下りていきます。やがて、右手の谷沿いに下りていくと、植林帯を抜けて、左手からやってくる谷と出合います。この谷に沿って登山道は、二度三度と渡渉を繰り返して、どんどんと下っていきます。途中に3回木橋を渡ることになります。最後は、大岩のある二股出合に着きます。

二股出合いの大岩にある木橋(ここから林道へ)
二股出合いの大岩にある木橋(ここから林道へ)

ここからは伊賀谷の林道歩きとなり、40分ほどで葛川学校に到着します。学校前の国道365号線を北に20分ほど歩くと坊村に帰ってくることができます。

【コースタイム】5時間10分
坊村(25分)もみじ平(25分)ぶな平(50分)▲鎌倉山(10分)千年杉(50分)オグロ坂峠(30分)中村乗越(60分)二股出合い(40分)葛川学校前(20分)坊村

これまでの登山履歴

(1)2005.5.4葛川学校前-二俣出合-中村乗越-八丁平-クラガリ谷-峰床山-オグロ坂峠-鎌倉山-ぶな平-もみじ平-坊村
(2)2006.8.5坊村-もみじ平-ぶな平-鎌倉山-千年杉-オグロ坂峠-八丁平-中村乗越-二俣出合-葛川学校前-坊村
「まきえや」2007年秋号