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貧困の最前線 炊き出し・無料相談会に参加しました

貧困の最前線 炊き出し・無料相談会に参加しました。

秋山健司弁護士 秋山健司

京都における貧困問題とそれに対する取り組み

長年続いた自公政権のもとで、労働法制改悪問題やそれと関連する貧困問題が深刻な問題になり、京都においても沢山の生活困窮者がおられます。

この京都では、労働組合や法律家団体、医療、ホームレス支援団体などで結成された「ネットワーク連帯ひろば」という運動体があり、困窮状況にある方(ホームレス、生活保護受給者等)への炊き出し・入浴サービス、生活相談サービスを行う取り組みが定期的に開催されています。今年(2010年)8月8日にも実施され、そこに私も参加してきました。

当日の相談活動

午前10時に伏見区上鳥羽にある会場に行くと、炊き出しサービスや入浴サービスの準備に勤しむボランティアの方々、サービスを受けにやってきている年配の男性の方々が既に沢山集まっていました。

いざ相談活動に入ってみると、普段の業務の中で用いる法律知識だけでは相談者の悩みの解決につながらないことを実感しました。

「生活保護を受給しているが、病気が治りつつあるのでハローワークに行った。そこで紹介された会社に行ったけれど、面接しただけで『あなたにはうちの職場の同僚と協調して働く能力が無い。』等と決め付けられて採用を拒否された。こんな対応はひどいと思うので何か法的に責任追及できないのだろうか。」と相談者は切々に訴えていました。いろいろお話を聞いていると、どうやらその会社は、ハローワークの要請を断りきれずに募集を出したけれども実際には従業員が足りており、元々新規に雇用する意思がなかったのではないかと思われる節がありました。契約締結自由の原則との関係で、その憤りをその会社にぶつける法的手法には困難があるため、結局、高齢者事業団や雇用能力開発機構での職業訓練を利用して別の企業に採用されるチャンスを増やし、その上でまたハローワークに通ってみてほしいというような対応に止まりました。

ほかにも相談を受けましたが、年齢や病気等の事情により働き口が見つからずどうすればよいのか等の相談が主であり、その場に来られていた労働組合からのボランティアの方等と一緒に対応をしました。

活動を振り返って

限られた時間でしたが、貧困問題の最前線の現状を垣間見ました。その中で、この問題の根は非常に深く、国や自治体の経済政策に関わる問題が根本にあることを実感しました。様々な分野の方々と実情について共通認識をもち、一緒に地道に活動を続けていくほかないということを感じさせられました。この1日の活動で何かを大きく変えられたわけではありませんが、この日の体験は貧困問題に関する私の認識を深めさせてくれ、今後、この問題に取り組む方々との共同の歩みを踏み出すための活力を与えてくれたと思います。

誰もが安心して穏やかに暮らせる社会をつくれるよう、皆さん、力をあわせましょう!

「まきえや」2010年秋号