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京都北部に人権の旗を掲げる ~退所のご挨拶~

京都北部に人権の旗を掲げる ~退所のご挨拶~

吉本晴樹弁護士 吉本晴樹

2009年の本誌春号にて入所のご挨拶をさせていただき、それから1年余りにわたり勤務してまいりましたが、このたび、京都北部の地に移り、福知山法律事務所の一員として、新たな一歩を踏み出すことになりました。

在職中は、一般民事事件、家事事件、少年・刑事事件に携わりながら、不当解雇に対する労働審判事件や犯罪被害者の刑事裁判参加事件など新しい分野にも取り組ませていただき、本当にたくさんのことを学ばせていただきました。

また、この間、2009年の衆議院総選挙と2010年春の京都府知事選挙という政治の節目となる2つの大きな選挙があり、事務所後援会員の皆様や各種団体の皆様と街頭活動などでご一緒させていただいたことも得がたい経験となりました。

舞鶴での不当降格事件

私が弁護士になった頃から取り組んでいる大きな事件の一つに、舞鶴で起きた不当降格事件があります。これは、舞鶴市内のある工場に勤めている男性が、超勤割増手当を支払わない、有給休暇の取得を認めないなど労働基準法を無視する会社のあり方に疑問を感じ、職場の仲間に労働組合をつくろうと呼びかけたところ、これを嫌がった会社が、男性を係長から平社員に降格させたという事件です。裁判は男性が係長への復職を求めて、今も舞鶴で継続しています。

私自身は生まれも育ちも京都市内なのですが、母が舞鶴の出身であり、子供の頃は舞鶴の祖母の家によく遊びに行っていました。その舞鶴に今度は弁護士として幾度となく足を運ぶことになったのは望外の喜びでした。私はかねがね京都北部における法的サービスの充実と民主的運動の発展に一役買いたいと思っておりましたが、この間、裁判を支援している地元労働組合の皆様との連帯を深めるなかで、ますますその思いを強くすることになりました。

事務所の伝統を引き継いで

京都弁護士会所属の弁護士の9割以上は、京都市内に事務所を構えています。先日の京都府知事選挙でも争点となった医師不足問題と同様、市民の権利を守る弁護士の配置についても市内と北部との「格差」があることは否めない事実です。

もっとも、京都第一法律事務所は、これまで京都北部地域での事務所づくりに先駆的に取り組んできました。1969年に事務所出身の小林義和弁護士が舞鶴市に個人事務所を設立し、次いで1985年にはやはり事務所出身の宮本平一弁護士が福知山法律事務所を開設して、以来、両事務所が地域に根ざした民主的法律事務所としての活動を続けてきました。

この京都第一法律事務所が誇るべき伝統を引き継ぎ、北部地域における人権と正義の担い手となるべく、このたび福知山法律事務所への移籍を決断する次第となりました。これまでお世話になった皆様には心より感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

京都北部における課題

現在、京都北部では、労働と平和をめぐるいくつかの注目すべき取り組みが行われています。

昨年、綾部にある住宅設備メーカー「トステム」の工場閉鎖が発表され、そこで働いていた労働者377人が遠隔地への転勤や退職を余儀なくされる事態が発生した際には、自由法曹団京都支部と京都総評、地元労働組合との共催で緊急の労働相談会を実施し、のちに労働組合の結成につなげることができました。

平和の問題では、海上自衛隊基地の街でもある舞鶴から、昨年の海賊対処法成立後に、護衛艦「あまぎり」がソマリア沖へ出港しましたが、これに対しては地元市民団体が派兵中止を求める抗議活動を行いました。

今後とも北部地域の諸団体の皆様と手を取り合いながら、運動を強めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

「まきえや」2010年春号