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イギリスのナショナルトラストを巡る旅

イギリスのナショナルトラストを巡る旅

大島 麻子弁護士 大島 麻子

 2012年3月末より、配偶者の仕事の関係で再びイギリスに滞在しています。二度目の休職で、特に顧問先の皆様にはご迷惑をおかけしておりますが、中年に入って少々くたびれた身にはよい休養となっており、家族とゆっくり過ごす時間の大切さを実感しながら、元気に過ごしております。

ナショナルトラスト

 今回、イギリス生活を楽しむために最初にしたことは、再びナショナルトラストの会員になることでした。ナショナルトラストは、1985年に、歴史的建築物や自然などの保護を目的として設立されたボランティア団体です。現在、370万人の会員がおり、その会費や寄付、保有施設の入場料等により運営されています。ナショナルトラストが保全・公開している歴史的建築物だけでも350以上もあり、前回の滞在時も、週末はよくこうした施設を訪れていました。あいにく今年のイギリスは天気が悪く、行楽には不向きな日が多いのですが、それでも休暇等を利用して様々な場所に出掛けています。

湖水地方

 この6月には、祝日を利用して、湖水地方に足を伸ばしてきました。湖水地方は日本でもよく知られた景勝地ですが、この地方の土地の4分の1はナショナルトラストが所有し、景観保全に貢献しています。この活動を支えたのは、ピーターラビットの絵本の作者、ビアトリクス・ポターです。ポターは印税で多くの農場や土地を購入し、自分でも保全に努め、死後にはナショナルトラストに遺贈したのです。

 残念ながら晴天に恵まれたのは一日だけでしたが、この日はナショナルトラストが勧めるトレッキングコースを楽しみ、そのほか、ポターが最初に購入したヒルトップ農場などを訪問しました。

湖水地方トレッキング1
湖水地方トレッキング2

セントマイケルズマウント

 イギリス南西端に位置するコーンウォール地方は、以前から行きたかったところで、夏休みに訪れることができました。

 この地方には、潮の満ち引きによって本土と陸続きになったり、孤島になったりする、セントマイケルズマウントという「小島」があります。1954年からナショナルトラストが管理していますが、様々な伝説や歴史のある小島で、ノルマン人の侵攻の後、一時はフランスのモンサンミッシェルと同じ修道士会が所有していたようです。英仏の読みに直せば名前が同じなのはそのためなのでしょうが、フランスにあやかって大々的な宣伝をしないところがイギリスらしいというべきか、おかげで人混みに悩まされることもなく、小島内の城や散歩道などを、ゆっくりと楽しむことができました。

セントマイケルズマウント1
セントマイケルズマウント2
セントマイケルズマウント3
セントマイケルズマウント4
潮が引くと石畳の歩道が現れます

ストーンヘンジ

 ストーンヘンジは、イギリス最大の古代の神殿で、紀元前3000年から1600年につくられたものです。自宅から日帰りできる距離なので、日曜日に訪れました。

 ストーンヘンジを、岩があるだけで何も見るところがないと評する人もいます。確かにそのとおりといえるのですが、周辺を散策してみると見方が変わります。現代的な建築物が何もない広大な牧草地帯を横切り、なだらかな斜面を進んでいくうち、巨大な岩石群が忽然と出現してくる様は、壮観で神秘的です。古代人も同じ思いを抱いたのだろうと思わせるような景観が、現在も維持されているのです。

 実は、ストーンヘンジそのものは、遺跡の保全管理を目的とするイングリッシュヘリテイジという団体が管理しています。ナショナルトラストは、その周辺の広大な土地を保有し、両者の協力関係によってストーンヘンジ全体の景観が維持されているのです。こうした団体が複数存在し、活発に活動していることに、イギリスの奥深さを感じます。

ストーンヘンジ1
ストーンヘンジ2
ストーンヘンジ前にて
ストーンヘンジ前にて

さいごに

 イギリスでは次第に日が短くなり、行楽を楽しめる時間も限られてきましたが、残り半年、じっくり充電し、新たな気持ちで復帰したいと思っています。

「まきえや」2012年秋号