まきえや

「憲法を活かす講演の集い」を開催

「憲法を活かす講演の集い」を開催

1 はじめに

2013年9月20日、音楽家の楊雪元(ようせつげん)さんと大阪国際大学准教授の谷口真由美さんをお招きして「憲法を活かす講演の集い」を開催しました。

京都第一法律事務所では、2004年から毎年、事務所独自の憲法集会を開催しており、おかげさまで今年10年目の節目の年を迎えることが出来ました。皆様ありがとうございます。

2 中国笛とテノールの調べ(楊雪元さんの演奏)

中国笛とテノールの調べ(楊雪元さんの演奏)

楊雪元さんは、数種類の中国笛等を用いて美しい音色を奏でると共に、「夜来香(イエライシャン)」「宵待草」「北国の春」「オー・ソレ・ミオ」等を歌い上げ、力強いテノールの歌声と中国笛の旋律は、会場だけでなく私たちの心の中まで響き渡りました。

最後は、「ふるさと」を会場の聴衆と共に大合唱し、会場いっぱいに集まった人々の歌声が響き続けていました。

3 庶民の目線で憲法を考える(谷口真由美さんの講演)

大学で憲法の講義を担当している谷口さんは、今、「全日本おばちゃん党」(注:政党や政治団体ではありません)の代表代行として、注目を集めている女性です。大学の授業冒頭で「DJ真由美の恋愛相談」として憲法に絡めて学生の恋愛相談に応じる講義が話題になったこともあります。

本日の集会では、「今、日本国憲法が危機的な状況にあるということを肌感覚で感じている」「憲法を改正するという議論をするなら、まずは現行憲法の成立に至る歴史の経緯等を正確におさえてからするべき」等とパワーポイントを用いつつ身振り手振りで力説され、会場からは盛大な拍手が湧き起こりました。

また、「難しいことを簡単に伝える、皆に知るきっかけを与えることがまず大切。そのために、全日本おばちゃん党を作って笑いやシャレを交えてみた」として、憲法をおばちゃん言葉でまとめた「おばちゃんハッサク」等が紹介されると、会場には聴衆の方々の笑い声が響きわたっていました。

特に、「おばちゃんハッサク」の「その1:うちの子も、よその子も戦争には出さん!」というのが印象に残りました。自分だけでなく、他人のことも含めて幸せを考える「おばちゃん」のちょっとおせっかいだけれど、どこか懐かしい人情味を強く感じました。

最後の質疑応答では、谷口さんの講演に魅了された聴衆の方々から、全日本おばちゃん党に是非入りたい等という声が多数あがり、大変盛り上がっていました。

庶民の目線で憲法を考える(谷口真由美さんの講演)

4 最後に

「難しいことを簡単に伝える」つまり、人に理解してもらえるよう尽力すること、これは、我々、法律の専門家で、かつ、依頼者の利益のために力を尽くす弁護士にとっても、最も大切で心掛けねばならないことです。この集会で、我々も大変な刺激をうけると共に、今後も引き続き憲法を活かす運動に全力で取り組んでいく決意を新たにしました。

「まきえや」2013年秋号