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京都弁護士会副会長に就任しました

京都弁護士会副会長に就任しました

大河原 壽貴弁護士 大河原 壽貴

4月から、2013年度の京都弁護士会の副会長に就任することとなりました。

京都弁護士会では、1名の会長と4名の副会長を選出してその年度の会務を運営しています。任期は1年間ですので、私は2014年3月までの1年間、副会長として会務にあたります。

弁護士会は法律で強制加入団体とされており、京都府内に事務所を構える弁護士はすべて京都弁護士会に加入しなければなりません。京都弁護士会には、現在600名を超える弁護士が加入しておりますが、この数ヶ月間で50名を超える新規入会者があるなど、ここ数年の間に一気に会員数が増えてきているのが現状です。

弁護士会の抱える課題

これまで、新人弁護士は、「イソ弁(居候弁護士)」として先輩弁護士の事務所に勤務して、先輩弁護士の指導のもとで活動したり、当事務所のような共同事務所の一員として加入し、先輩弁護士と一緒に事件活動をこなしたりしながら弁護士としての実力をつけていくというあり方が一般的でした。ところが、司法試験合格者数の増加に伴い、全国的にも、京都府内においても、弁護士数が急速に増加しています。そのため、既存の弁護士事務所が抱えられる新人弁護士数にも限りがあり、新規に登録した弁護士の中で、「ノキ弁(既存の事務所の軒先だけを借りる弁護士)」や「即独(新規登録後即時に独立する弁護士)」といった事象が見られるようになってきました。

京都弁護士会としては、これまで、既存の事務所を通じてオン・ザ・ジョブ・トレーニングを積み、弁護士としての実力をつけてきたシステムでは包摂されない部分の研鑽について、新たな仕組みを作っていかなければならないのではないかと考えています。そのことを通じて、府民の皆さんに十分な法的サービスを提供できる体制を作っていきたいと考えています。

基本的人権の擁護のために

現在、自民党が「憲法改正草案」を発表しており、その内容を見ると、「公の秩序」でもって個人の人権を制限できるとされています。現行憲法下においては、お互いの人権が衝突した際に調整する場合でなければ人権を制限することはできないと理解されてきたのが、「憲法改正草案」では、個人の人権よりも「公の秩序」を上におくような規程が創設されようとしているのです。

 本来、弁護士は、弁護士法1条に定められた「基本的人権の擁護と社会正義の実現」という使命を有しております。とはいえ、弁護士会が強制加入団体ということもあり、弁護士数が増加していることも相まって、個別の課題については、基本的人権に関する事柄であっても弁護士同士の間で意見が一致しないと言うことも少なくありません。

「基本的人権の擁護」という弁護士の使命を全うするにあたり、現行憲法の人権規定がいささかも後退することは許されないと考えています。上述のとおり、弁護士会内の意見状況は様々ですが、こと「基本的人権」に関する事柄ですので、弁護士会内で議論を深め、取り組みを進めていきたいと思います。

喫緊の課題としては、現在、政府が生活保護基準を引き下げようとしている問題があります。生活保護基準というのは、決して生活保護受給者だけに影響があるのではありません。個人住民税の免除基準や保育料の免除基準、児童への就学援助の基準、未熟児や結核児等に対する医療費の自己負担額など、現在行われている様々な免除基準や給付基準に準用されているのが実態です。生活保護水準の引き下げが、現在の貧困の状況をさらに悪化させていくことは明らかです。生存権が実質的にも保障されるべく、取り組みを進めていかなければなりません。

また、警察・検察での取り調べをすべて録画・録音し、全面可視化を求める取り組みも、これまで以上に進めていかなければなりません。この間、いわゆる遠隔操作ウイルス事件でも明らかになったように、密室での取り調べの中で、高圧的な取り調べが行われたり、自白の誘導が行われたりしています。冤罪事件をなくすためにも、一日も早い取り調べの全面可視化が求められています。

2013年度の副会長就任が決まって以来、約2ヶ月の間、前任者が行っている会議に参加したり、新年度へ向けた準備作業を行っており、事務所を不在にする時間が長くなっています。多忙な中ではありますが、ご依頼を受けている事件や、これまで行ってきた社会的活動にも、ますます精力的に取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

「まきえや」2013年春号