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離婚事件~高裁で逆転勝訴~

離婚事件~高裁で逆転勝訴~

藤澤 眞美弁護士 藤澤 眞美

裁判が法的な「けんか」であるとすると、途中で和解をしなければ、形式的には半分の確率で勝ち負けが発生します。ところが、いったん第1審で負けると、第2審(通常は高等裁判所)では、勝訴(いわゆる逆転勝訴)の確率は激減するのが通常です。

第1審(家庭裁判所)で負けて、第2審(高等裁判所)で逆転勝訴した離婚訴訟が2件続きました。いずれも夫婦の間に未成熟子(自立していない子)がいない一方で、別居期間が短いか、まったくないというケースです。

「性格の不一致」だけでは離婚できない

裁判所に申し立てられる離婚事件(調停・裁判)のうち、離婚理由として一番多いのが「性格の不一致」です。離婚理由には、不貞とか暴力とかいろいろあるのですが、何と言っても「性格の不一致」を訴える当事者の方が圧倒的に多いのです。

ただ、もともと夫婦の性格は違うものですから、性格が一致しなくて当然です。常識も経済感覚も違っていて普通なのですから、性格が違うからといって即離婚できるのであれば、誰もが簡単に離婚できることになります。それでは離婚を迫られている他方の配偶者にとって酷となることが多すぎます。

そこで、離婚を認めるかどうかについて、裁判所は、双方が努力しても夫婦関係が修復不可能か、夫婦が完全に破綻してしまっているか、という基準で判断しています。いわゆる「破綻主義」と呼ばれています。しかしこれでも、本当に破綻しているかどうか、修復不可能かどうかは、結局程度問題ということですので、明確な線引きがしにくいのが実情です。

当事者の苦しみを裁判所に届ける

一般には別居期間が相当程度に長くなれば、それだけ破綻していると認定されやすいのですが、夫婦の問題は個別性が高く、ある裁判では別居期間が2年で破綻を認めても、別の裁判では3年でも認めないということも起こりえます。

もし裁判所として、別居期間だけでは破綻しているというには不十分と判断されれば、いかに夫婦関係が実態として破綻しているか、相手方にいかに非があるかということを立証しなければなりません。

上の2件の裁判はいずれも第1審で、「破綻しているとまではいえない」「修復不可能とまではいえない」と判断されたケースです。そこには、判断した裁判官の主観も多分に含まれていると感じざるをえない判決内容でしたが、とにかく控訴することをお勧めしました。

なぜなら、控訴をすることで、別居期間が長くなり、またあきらめずに控訴することで破綻の判断を導きやすくなるからです。

そうして、控訴して、再度、苦しみながら離婚を求めている当事者の思いを裁判所に届けることで、裁判所の判断を覆すことができたのです。

「まきえや」2013年春号