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脱原発の機運高まる

脱原発の機運高まる

弁護士 高木 野衣

1 東電とのたたかい

福島第一原発事故から3年半が経ちましたが、いまだに何万人もの人が住み慣れた土地を離れて避難生活を送っています。

私は今、福島県をはじめ放射線量の高い地域から京都に避難してきた方々が、国と東京電力に対し、原発事故とそれに伴う避難により生じている被害の救済を求める裁判の弁護団に所属しています。上の写真は、2013年4月、原発事故の被害実態を調査するために訪れた富岡町(福島第一原発10km圏内)で撮影しました。

避難指示が二転三転し、原発事故や放射性物質の飛散状況について十分な情報がない中、原告らは逃げ惑い、被ばくしました。甲状腺にのう胞が見つかった子もおり、両親は我が子を守れなかったと自分を責め続けています。原告らは一生、放射能による健康被害への不安を抱きながら生きなければなりません。また、原告らは避難により、長い時間をかけて築いた人間関係を失いました。家族離れ離れの生活を送っている方もいます。

原告らが失ったのはそれだけではありません。下の写真は、除染作業で掻き集められた表土が詰まった袋の山です。今も除染は思うように進まず、原発からは汚染水が垂れ流されており、事故が収束したとは言えない状況です。ある原告は法廷で、「私たちが戻りたいと思うのは事故前の福島。そこに住むことで我が子や孫の健康が損なわれるかもしれないとしたら住み続けますか?」と、被告らに問いかけました。原告らは、穏やかな時が流れていた自然豊かで心地良い故郷を奪われています。

国は、国際基準によれば健康上問題視される放射線量の地域についても避難指示を解除し、安全性を強調して帰還を促しています。国民の健康と命を守るべき国が、その責任を放棄したも同然です。また、東電が和解案として提示する賠償額は、避難者の被害実態とはかけ離れた非常に低水準です。国と東電に、避難の権利を認めて償いを命ずる判決を、勝ち取らなければなりません。

2 画期的な判決

その闘いのさなか、2014年5月21日、福井地裁が関電に対し、大飯原発3・4号機の運転差止めを命じました。判決は、福島原発事故で15万人もの住民が避難生活を余儀なくされ、その過程で少なくとも入院患者等60名が命を失い、家族の離散や劣悪な避難生活でこの人数をはるかに超える人が命を縮めたであろうことに言及し、原子力発電技術の危険性と被害の大きさは十分に明らかになったと述べ、大飯原発の稼働によって、生命を守り生活を維持するという人格権の根幹に対する具体的侵害のおそれがあると判断しました。

また、2014年8月26日、福島地裁が東電に対し、避難を苦に自死した方の精神的苦痛に対する慰謝料等を支払うよう命じました。判決は、家族や地域社会との繋がりの中で最も平穏に生活できる場所を相当期間失ったことは、帰還の見通しがたたないことや避難先の住環境の違い等も相まって故人に大きな喪失感をもたらし、耐え難い精神的負担を強いたと述べ、避難とうつ病発症、そして自死との間の因果関係を認めました。

いずれの判決も、避難者の被害実態と真摯に向き合った判決で、今後の闘いの大きな力となります。

3 脱原発へ向けて

原発事故後、脱原発の声が大きくなる中、司法もその声を後押しする判決を次々出しています。国民の声が司法を動かしたのです。原発再稼働、輸出推進を掲げる安倍政権の暴走を止めるべく、今こそ脱原発の輪を更に大きくする必要があります。当事務所も取り組む大飯原発差止京都訴訟(原告1963名)では第三次提訴を予定しています。まだ原告になっていない方は、ぜひ原告団に加わってください。京都から日本へ、ともに脱原発の声を上げましょう!

大飯原発差止訴訟第三次原告募集中

原告になってくださる方は京都第一法律事務所までご連絡ください。申込書類を郵送させていただきます。

連絡先電話075-211-4411(京都第一法律事務所)
弁護団宛メールkyotodatsugenpatsubengodan@gmail.com
ブログhttp://d.hatena.ne.jp/kyotodatsugenpatsubengodan/

 

「まきえや」2014年秋号