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駆け出し弁護士の3か月

駆け出し弁護士の3か月

弁護士 高木 野衣

ご挨拶

2014年1月に入所しました高木野衣と申します。大阪で生まれ育ち、26年目にして京都へ移り住み、待望の春がやってきました。愛機(カメラ)片手に散歩するのが楽しみです。

あっという間の3か月

弁護士になって最初に担当することとなったのは、過労自死事件でした。実は、私が弁護士を目指したきっかけも、身近な人が働き過ぎで病に倒れたことでした。人間らしく生きる権利を無視し、自分や家族との時間を犠牲にして働くことを強いる会社には憤りを感じます。命より家族より大切な仕事なんてありません。個人の尊厳を取り戻すべく、ご遺族と共に会社の責任を厳しく追及します。

東日本大震災の被災者支援弁護団にも入団しました。2013年4月、警戒区域指定解除直後の富岡町(福島第一原発10キロ圏内)を訪れた際、誰もいない静まり返った町を高濃度の放射線と汚染土の詰められた黒いゴミ袋の山が占拠している現実を目の当たりにし、「原発事故前の福島を返して。」「帰りたいけど帰れない。」何の落ち度もないのに故郷を失い人生を狂わされた方々の悲しくて悔しい気持ちに共感したことが入団の動機です。2014年2月、国と東京電力の責任を問う裁判の第一回期日があり、原告団代表がその思いを言葉にしました。水素爆発の映像を見た時の恐怖、故郷の放射能汚染に対する絶望、人との繋がりを失ったことに対する寂しさ、体の異変と被ばくへの不安などを涙ながらに語り、「原発事故の原因と責任を明らかにして欲しい。」「原告1人1人の命と向き合って欲しい。」と訴える姿に、弁護団の1人として自分が担う責任の大きさを痛感しました。

今この時も、放射能に汚染された場所近くで被ばくへの不安を抱えながら生活している方、故郷から遠く離れた地で将来への不安を抱えながら生活している方がたくさんいます。しかし、国はそのような現実や「原発はいらない」という多数の声を無視して、原発再稼働を推進しています。想像してみてください、京都のおとなり福井県の大飯原発が福島原発と同じような事故を起こした時のことを。私たちが失うものの大きさは想像を絶することでしょう。故郷を失い悲しい思いをする人を出さないために、未来を生きる子どもたちのために、原発の再稼働を許してはなりません。当事務所の弁護士が多数所属する脱原発弁護団は、大飯原発の差止めを求め、2012年に第一次提訴を、2013年に第二次提訴を行い、原告総数は1963名になっています。政府が原発再稼働を急ぐ今こそ、脱原発の声を更に大きくしていくことが不可欠です。弁護団では、2014年中の第三次提訴を目指し、原告になってくれる方を募集しています。この記事をご覧の皆様、是非とも仲間に加わってください。京都から日本へ、共に脱原発の声を上げましょう。

依頼者の方の笑顔が原動力

先輩や事務局の方々の力を借りながらではありますが、弁護士としての毎日にも慣れてきたように思います。

依頼者の方々は皆様それぞれ大きな問題を抱えて思い悩み、不安げな表情で事務所にいらっしゃいます。しかし、弁護士として解決への道筋を示し、「大丈夫」「あなたは悪くない」「一緒に頑張りましょう」と声をかけると、少しホッとした表情を見せてくれます。少しずつ笑顔を取り戻し、前を向いて歩きだそうとする姿を見ることができた時には、駆け出しの私でもわずかながらお役に立てたのかもしれないと嬉しくなり、また頑張ろうという力が湧いてきます。

皆様に寄り添い、そのお力になれるよう誠心誠意取り組む所存ですので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

「まきえや」2014年春号