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京都弁護士会副会長退任のご挨拶

京都弁護士会副会長退任のご挨拶

弁護士 秋山 健司

1.はじめに

京都弁護士会2014年度の副会長職を担当いたしましたが、この度、無事に任期満了となりました。1年間、皆様には本当にお世話になり、有り難うございました。私の人生の中で、非常に貴重な1年でした。

2.副会長職で取り組んだこと

弁護士会の役員には、会長と4名の副会長がいます。会内には多数の委員会があって様々な活動に取り組んでいるところ、各副会長は担当する委員会活動に参加しながら、会長の業務を補佐するのが仕事です。

私の場合は、主に憲法問題、秘密保護法問題、刑事司法改革問題に関する分野の委員会における諸活動等に参加しました。安倍内閣の集団的自衛権容認閣議決定に対して、時の権力者を憲法という枠で縛る立憲主義を破壊するという見地から抗議する会長声明の発表、市民集会の開催等に取り組んできました。ジャーナリスト鳥越俊太郎さんをお招きして、特定秘密保護法の廃止を求める市民集会も開催しました。これらの問題を街頭で市民の皆さんに直接訴える宣伝活動にも取り組みました。また刑事司法改革分野の問題では、郵便不正事件における元特捜部検察官の前田恒彦氏をゲストにお迎えして、証拠の全面開示問題を考える市民集会を開催しました。また市民の思想の自由を処罰の対象とする共謀罪シンポジウムも開催しました。いずれの集会企画も、会場一杯の市民の方々に集まって頂くことができました。

3.これから

こうして振り返ると、副会長になるまで、私がまがりなりにも関わってきた社会運動につながる分野で、旺盛に活動することができたなあと思います。それができたのも、会長、他の副会長、約700名もの会員、そして舞台裏で下支えをしてくれた事務員の方々、そして、事務所の所員、お客様方のご理解とご協力があったからのことと思います。いよいよ私も一弁護士として、従前の生活に戻ります。再び皆様からご信頼を頂きながら仕事を進めていけるよう頑張りたいと思います。社会運動の分野でも同様です。

4.今後の情勢と運動について

現在開かれている通常国会では、集団的自衛権行使容認閣議決定を前提とする安全保障関連法律の大改悪が狙われています。この点では、京都弁護士会も、自由法曹団京都支部も、運動の正念場として取組みを行います。

4月25日には、京都弁護士会館地下大ホールにて、「講演会『積極的平和主義』を問い直す」を開催します。この企画は、安倍内閣が、「積極的平和主義」の名のもと、従来認められてこなかった集団的自衛権の一部行使の容認や、いわゆるグレーゾーンへの対応、国際平和維持活動への参加等を打ち出し、この国の安全保障政策を大きく転換させようとすることに警鐘を鳴らすという企画です。元自衛官の泥憲和さんをお招きし、現場の立場から、積極的平和主義が自衛隊の活動にどのような変化をもたらすのかをお話頂く予定です。また、日弁連憲法問題対策本部から、弁護士の井上正信さんをお招きし、積極的平和主義のもとで行われるであろう安全保障体制の変化をご解説頂くこととしています。「現場」と「制度」の両面から、積極的平和主義を問い直す予定です。多数の皆様のご来館をお待ちしています。5月3日には、恒例の憲法集会が行われます。自由法曹団京都支部も大勢の仲間で参加し、パレードも行う予定です。

刑事司法分野でも重大な問題が起きています。これまで、一部の重大犯罪についてのみ、通信事業者の常時立会を条件に認められていた盗聴捜査を、組織性も認められない通常の財産犯(窃盗、詐欺等)にまで対象を広げ、通信事業者の立会も不要とする法改悪が狙われています。更には、被疑者・被告人が他人の犯罪事実について供述、証言する見返りとして、検察官が起訴しないことなどを約束するという司法取引制度を導入する法改悪も狙われています。刑事責任を問わないことを取引材料として、「他人」の犯罪を証言させ、事件をデッチ上げることは、弾圧、冤罪事件でよくみられる捜査手法であり、司法取引の導入は新たな弾圧、冤罪事件を生み出しかねません。

こういった法改正を強行させないためにも奮闘しなければと思います。改めてよろしくお願い申し上げます!


「まきえや」2015年春号