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北泉通り拡幅と架橋の凍結を求めて

事件報告 北泉通り拡幅と架橋の凍結を求めて

弁護士 寺本 憲治

1 京都市との対決へ

皆様、京都市左京区にある北泉通りはご存知でしょうか。左京区総合庁舎や京都工芸繊維大学が通りに面しており、あたりは閑静な住宅街にもなっています。北泉通りを真っ直ぐ東に行くと高野川に突き当たります。4月の高野川の川沿いには無数の桜が咲き誇り、春の訪れを感じさせてくれます。また、高野川を超えてさらに東に行くと、有名ラーメン店が立ち並ぶ地域があり、ラーメン好きの人や学生さんたちが列をなして並んでいます。

ところが、現在、京都市は、北泉通りの拡幅と高野川間の架橋計画を進めています。具体的には、昭和2年の都市計画決定に基づいて、左京区総合庁舎(松ヶ崎)のアクセス向上のためとして、工事費8億円をかけて北泉通を拡幅し、高野川に幅12.5メートルの橋を設置するというものです。

道路の拡幅や架橋に伴い、地元住民が長年住み続けてきた家が収用される恐れがあり、環境破壊等の問題も生じます。

このような京都市の強引な計画に対して、地元住民団体は、「地元住民合意がないままの工事着工は認められない」として「計画の凍結」を求める3,711人の要望署名を門川市長あてに提出しました。要望署名を提出したのは、計画に反対する「北泉通りの架橋・拡幅を考える会」「北泉橋を考える会」「松ヶ崎の住環境を考える会」の3団体です。

要望書では、計画の問題点について、①高野川にかかる重要橋梁「松ヶ崎橋」の耐震補強を最優先すべき、②交通量増大に対する交通安全対策が不十分、③架橋により地権者の家屋が削られ、生活が成り立たなくなる、④川沿いの桜並木6本以上が伐採され景観が破壊される、ことの4点を挙げています。

要望後も京都市は引き続き計画を強行しようとし、地元住民の方々が住む家について収用裁決の恐れも生じてきたため、法的手続を検討して、京都市と対峙することとなりました。

2 京都地裁へ提訴

まず、工事への費用支出を差し止めるべく(公金支出の差し止め)、京都市内の住民1,366人の方々と共に、2016(平成28)年12月に住民監査請求を行いました。しかしながら、2017(平成29)年2月には市監査委員から棄却と判断されたため、2017(平成29)年3月10日、京都市内の住民284人の方々と共に、京都市を相手取り公金支出の差し止めを求めて京都地裁に提訴しました。

同年6月15日に第1回裁判期日を迎え、京都地裁で最も大きな法廷(大法廷)の傍聴席は市民の方々で満員となりました。多くの市民の注目を集める中、原告本人と弁護士の意見陳述が行われました。裁判後、京都弁護士会にて行った報告集会にも多くの市民の方々にご参加頂きました。

第2回裁判期日は、同年8月31日に行われ、法廷は変更になりましたが、再び傍聴席は満員となっていました。

第3回裁判期日は11月21日13時15分〜(京都地裁203号法廷)で予定されていますので、引き続き、多くの市民の皆様の傍聴を期待しています。

3 地元住民の方々と共に勝利へ向けて

昭和2年の都市計画決定を、今、現在、強行して進める必要性は全くありません。近隣には多数の橋が架かっており、当時とは社会情勢が大きく変わっています。京都市の地元住民の意向を踏みにじる姿勢に憤りを感じます。

地元住民の方々と共に力を合わせてこの訴訟に勝利し、無謀な工事に必ずストップをかけたいと思います。皆様ご支援のほどよろしくお願い致します。

(当事務所の弁護団:寺本、飯田(団長)、秋山)

 


「まきえや」2017年秋号