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カネボウ化粧品白斑被害事件で和解

事件報告 カネボウ化粧品白斑被害事件で和解

弁護士 高木 野衣

1 事件の概要

「綺麗になりたい」と思って購入し、使用した美白化粧品で、顔や首、腕などの広範囲に白斑ができ、一部色が戻るなどして「まだら」模様に。症状による苦痛だけでなく、自分が期待した効用とは真逆の結果が出てしまったこと、そんな商品を「選択」してしまった自分自身を責め続ける苦しみが、消費者被害の実相です。

2014年12月、被害者24名(順次提訴した原告まで含む)が、カネボウ化粧品に対し、製造物責任法第3条に基づき、後遺障害慰謝料等、合計約1億6,400万円の支払いを求めて、京都地方裁判所に提訴しました。

同種の集団訴訟は全国で16地裁に提訴され、これまでに11地裁で和解が成立していました。しかし、いずれの地裁も、和解内容は非公表。カネボウ化粧品の責任も、その大きさも曖昧なまま、終わってしまっていました。

二度と同じことを繰り返させないためには、判決で責任を認めさせなければならない。和解するとしても、賠償額と謝罪の公表が絶対だ。そんな意気込みで、弁護団と原告団は一致団結して頑張りました。

2 和解成立

訴訟が進行し、原告側の主張立証によって、カネボウの責任が明らかになっていく中、京都地裁でも和解へ向けた協議が並行して実施されるようになりました。弁護団、原告団としては、カネボウ化粧品が責任を認めて謝罪し、裁判実務に依拠した賠償がなされることを強く求めました。

一方、カネボウ化粧品側は、最後まで賠償額の公表を拒否しました。平成29年7月末時点で、白斑被害を訴える1万9,590人の被害者のうち、1万7,407人について、示談や裁判で和解が成立しているということが大きかったのだと思います。

結局、2017年9月7日、京都地裁でも和解が成立しましたが、残念ながら、賠償額の公表には至りませんでした。しかしながら、弁護団としては、裁判実務に照らして、適正な賠償がなされたと考えています。

また、全国の訴訟で初めて謝罪条項が入り、再発防止条項とともに公表させることもできました。「本件化粧品を使用された原告らに白斑様症状が生じたことについて深く反省し、肌に直接触れる製品をお届けするメーカーとしての責任を重く受け止め、心よりお詫びするとともに、再発防止に努める」という内容です。

3 原告らの願い

訴訟は終結しましたが、まだらになってしまった原告らの肌は、元には戻りません。原告らは、「カネボウだけでなく、全ての化粧品会社が、このような被害が二度と起こらないよう、安全で安心できるものをつくって欲しい。」と口を揃えておっしゃいます。

カネボウ化粧品には、治療方法の研究とともに、同種被害の発生防止のための努力を続けて欲しいです。

(当事務所の弁護団:高木、谷)

「まきえや」2017年秋号