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先物取引による被害に遭わないために

消費者被害

Q.先物取引による被害に遭わないために、気をつけなければならないことは?
A.商品先物取引とは、農産物や鉱工業材料などの商品を将来の一定日時に一定の価格で売買することを現時点で約束する取引です。例えば、大豆の相場が上がると見込んで1カ月後に大豆を50万円で購入するという契約をするなどがこれにあたります。

1カ月後に大豆が50万円よりも値上がりしていた場合、その差額が儲けになりますが、実際には先物会社に証拠金、手数料を交付して売買を行わせるのが通常ですので、金銭的負担が必要です。相場の上がり下がりは予想のつきにくいものであり、先物会社を介して行う場合にそれに対する手数料が必要になることも考慮すると、一般消費者が最終的に利益を得るのは困難で、損失を被ることが多いのが現実です。

このような商品先物取引において、取引業者による勧誘行為は厳しく取り締まられており、たとえば「確実に儲かる」などという断定的判断を提供して行う勧誘は禁止されています。*1 また、次のような規制も設けられています。

  • (1) 取引員は、自己の商号・商品先物取引の勧誘であることを告知し、かつ顧客がその勧誘を受ける意思があるかを確認しなければならない。
  • (2) 取引員は、顧客が委託を行わない旨の意思表示をした場合に引き続き委託を勧誘してはならず、また顧客が委託の勧誘を受けることを希望しない場合に委託を勧誘してはならない。
  • (3) 取引員は、顧客に迷惑を覚えさせるような仕方での勧誘をしてはならない。
  • (4) 取引員は、一定事項(証拠金を上回る損失が生じるおそれがあることなど)につき説明しなければならない。
  • (5) 取引員は、顧客の知識、経験及び財産状況に照らして不適当と認められる勧誘をしてはならない(適合性原則)。

もし契約してしまった場合、1日も早く売買の「手仕舞い(解除)」を申し出るべきです。電話で通知した上、証拠を残すために、書面で行っておく(内容証明、配達証明郵便)のがよいでしょう。差損が出たと言われても追加証拠金の請求には絶対に応じてはなりません。

先物会社に対しては、支出させられた金銭(証拠金、手数料)について、不法行為(民法709条)、公序良俗違反(同法90条)を主張して返還を求めることが考えられます。そのような場合に備えて取引業者のセールストークを録音して保存したり、渡された書類を保存して証拠にすることも考えておくべきでしょう。


  • *1 商品先物取引法214条第1号。

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