離婚・DV
家事紛争解決の方法
DV法の概要
2001年10月に、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(いわゆるDV法)」が施行された(2004年12月改正)。また、同法は2007年7月に改正された(2008年1月施行)。
従来、夫から妻への暴力は、「夫婦喧嘩の延長」「どっちもどっち」「夫も場合によっては少しくらい手を出すことはあるだろう」と、軽視する風潮が一般的であった。こうした風潮の影で、夫から命の危険を感じるほどの暴行や、医師の治療が必要となるほどの暴行を受けながら、泣き寝入りするしかない女性たちが後を絶たなかった。配偶者からの暴力は犯罪であり、ようやくこの当たり前のことに法律が乗り出したのである。さらに、改正法により、暴力のみならず、生命・身体に対する脅迫を受けた場合も保護されることになった。
被害にあっている人は、DV法により、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談、援助、保護を求めたり、裁判所に保護命令の申立をすることができる。
保護命令
本法の最大の特徴は、「地方裁判所による保護命令」である。
従来は、接近禁止の仮処分という、相手が違反しても有効な制裁手段をもたない制度等で対処せざるを得なかったが、そこから一歩前進した。
すなわち、配偶者からさらなる暴力を受けるおそれや、生命・身体等に重大な危害が加えられるおそれがある時には、裁判所は、(1)半年間、被害者及び被害者が連れ出た子どもに近づくことを禁止したり、(2)2ヵ月間、同居をしている住居からの退去を命ずることができるようになった。さらに、2007年の改正法により、接近禁止命令に加えて、面会の要求などストーカー行為についても禁止することができるようになった。また、親族など一定の親しい人への接近も禁止できるようになった。
そして、この命令に反した場合には、1年以下の懲役か、100万円以下の罰金を科すことができる。裁判所には、被害者からの申立に対し、速やかに裁判することを義務付けている。
保護命令は、地方裁判所に申立てる。申立書には、暴力を受けた状況、さらに暴力により生命又は身体に重大な危害を加えられるおそれがある事情、配偶者暴力相談支援センターや警察の職員に相談した事実や内容等を記載する。事前に相談をしていない場合には、暴力を受けた状況など記載した書面を作成し、公証人役場で書面の認証を受けて、申立書に添付する。
適用対象
この法律の適用対象には、夫婦だけでなく、事実上の婚姻関係にある男女、離婚後も暴力のおそれのある男女も含まれる。男性が被害者になる場合ももちろん含まれるが、実際には女性が被害者の場合が圧倒的に多い。
相談援助保護
さらに、本法では、婦人相談所その他適切な施設において、当該各施設が「配偶者暴力相談支援センター」としての機能を果たすようにしている。
警察やセンターでは、被害者に対し、相談、カウンセリング、一時保護、援助等を行うものとしている(この他にも市町村の相談窓口、弁護士による法律相談、あるいは数は少ないが民間の機関=シェルター等も利用できる)。
一時保護
とりあえず配偶者から逃れたいときには、各都道府県に一つずつ設置されている婦人相談所で一時保護業務を行っている。ここでは短期間であるが、子供とともにしばらく安全に生活することができる。







