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相続-嫡出子と非嫡出子

飯田 昭弁護士 飯田 昭

相続

5.嫡出子と非嫡出子

法律上の夫婦ではない夫婦から生まれた子を法律は非嫡出子と呼んで、法律上の夫婦から生まれた嫡出子とは異なる扱いをしています。しかし、このような区別に対しては強い批判が向けられています。

婚外子の相続差別は違憲 最高裁初判断

Q.私の父は、某大手企業の重役でしたが、私の母とは結婚しておらず、正妻との間に3人の子供がいるようです。母は苦労に苦労を重ねて、私を育ててくれました。
昨年12月に、父が亡くなり、遺言執行者の弁護士から、遺言に基づいて、遺留分相当額の預貯金として、遺産の28分の1相当の3000万円を渡すと言ってきました。
今回、ニュースで婚外子の相続分も平等となったと聞きましたが、私のような場合にも当てはまるのでしょうか?
A.勿論です。

あなたには、相続分としては8分の1、遺留分としては、16分の1(本件では5250万相当)の権利があると思われます。それにもかかわらず3000万円しかもらえない場合、あなたの遺留分が侵害されているということになりますので、この場合、遺留分減殺請求権の行使により差額の2250万円を受け取ることができると考えられます。

遺留分減殺請求権は、遺留分を侵害されていることを知ってから1年以内に行使することが必要ですので、速やかに、相談にお越しください。

【判旨】

結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定が、法の下の平等を保障した憲法に違反するかが争われた2件の家事審判の特別抗告審で、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允(ひろのぶ)長官)は2013年9月4日、規定を「違憲」とする初判断を示し、1995(平成7)年の「合憲」判断を改めました。

大法廷は決定で、婚外子の出生数や離婚・再婚件数の増加など「婚姻、家族の在り方に対する国民意識の多様化が大きく進んだ」と指摘。諸外国が婚外子の相続格差を撤廃していることに加え、国内でも1996(平成8)年に法制審議会(法相の諮問機関)が相続分の同等化を盛り込んだ改正要綱を答申するなど、国内でも以前から同等化に向けた議論が起きていたことに言及しました。そして、法律婚という制度自体が定着しているとしても「子にとって選択の余地がない事柄を理由に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、権利を保障すべきだという考えが確立されてきている」としました。

一方で、今回の違憲判断が他の同種事案に与える影響については「先例として解決済みの事案にも効果が及ぶとすれば、著しく法的安定性を害することになる」とし、審判や分割協議などで決着した事案には、影響を及ぼさないとしたものです。

同決定により、決定の対象時期である2001(平成13)年7月以降の相続については、合意済みでない限り、婚外子も平等の相続分を主張することができます。

最高裁が法律の規定について憲法違反と判断したのは戦後9件目で、国会は法改正を迫られることになります。