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「遺言作成の心得」 市民のための法律セミナー・レジュメ

遺言作成の心得

尾崎 彰俊

弁護士 尾崎 彰俊

【1】なぜ遺言書を書くか?

  • 自分の思う通りに財産を分けたい!
  • 家族が争わないように!

→皆で公平にわけてくれればいい?

遺言書がない場合

遺言書がない場合

【2】遺言書で想いを伝えることができる!

遺言書で想いを伝えることができる!

想いをこめた遺言書はトラブル回避につながる!

【3】元気なうちに書く!

元気なうちに書く!

【4】法定相続人は誰か?

法定相続人は誰か?

相続する遺産の割合

相続する遺産の割合

【5】遺言書の書き方例

  • 丈夫な紙に、ペン書きが望ましい。
  • 間違えた場合、書きなおすのが無難。
  • 2枚以上になる時は割印を押す

遺言書の書き方例

【6】いろいろな遺言書

●自筆証書遺言

全文、日付、氏名の自筆+押印

内容が不明確であることが多いので、効力が問題となりやすい

●緊急時遺言

証人3人

緊急の場合なので・・・

●公正証書遺言

→複雑な遺言書は専門家の点検でトラブル防止を!

【7】公正証書遺言

公正証書遺言ってどんなもの?

公証役場で公証人が間違いのない遺言書を作成し、原本を役場で保管してくれる制度。

公正証書遺言ってどんなもの?

公証人の手数料

相続財産の価額手数料
100万円まで5,000円
200万円まで7,000円
500万円まで11,000円
1000万円まで17,000円
3000万円まで23,000円
5000万円まで29,000円
1億円まで43,000円

以下5000万円ごとに、13,000円(3億まで)、11,000円(10億まで)、8,000円(10億を超えるもの)を加算。

自筆証書と公正証書、どちらがいい?

●自筆証書遺言の欠点

1.作成に不備が発生する恐れ

2.遺言書の管理が難しい

3.相続人が検認の手続をする必要がある

○公正証書遺言の利点

1.作成に不備が生じない

2.公証役場が遺言書を管理してくれる

3.検認の必要がない

→不安がある場合は公正証書遺言が安心!

  • 遺言書作成に自信がない人
  • 複雑な遺言書を書きたい人
  • 保管に不安がある人
  • 争いごとが予想される人
  • 手の震えなど自筆での作成が難しい人

【8】遺留分(いりゅうぶん)に注意!

遺留分(いりゅうぶん)…相続財産の内、相続人に保障されている部分

遺留分(いりゅうぶん)に注意!

→配慮が必要!

遺留分の割合:相続人が誰かによって決まる

遺留分の割合

【9】遺言執行者

【遺言執行者の指定がない場合】

遺言執行者の指定がない場合

【遺言執行者を指定した場合】

遺言執行者を指定した場合

遺言の執行がスムーズに行える!

相続人はお互いの利害が絡む→ 遺言執行者にすることは避けた方がよい

【10】財産の把握は正確に!

  • 不動産登記簿謄本
  • 固定資産税課税証明書
  • 預金通帳
  • 株式
  • 投資信託
  • 事業用財産
  • 保険金
  • ゴルフ会員権

・・・などなど

【11】特に、遺言が必要な場合(遺言がないと困る場面)

例えば、法定相続人はいないが、(1)内縁の妻の場合や(2)特別縁故者の場合など・・

 

公正証書遺言の例

藤澤 眞美

弁護士 藤澤 眞美

公正証書遺言の例

2014年第1号
遺言公正証書

 

本公証人は、遺言者山田太一の嘱託により、証人尾﨑彰俊、同藤澤眞美の立会のもとに、遺言者の口述した遺言の趣旨を筆記してこの証書を作成する。

 

第1条 遺言者は、遺言者の所有する次の土地及び建物を、亡長男山田太郎の妻山田花子2分の1を遺贈し、孫の山田花太郎に2分の1を相続させる。
 (土地の表示 省略)
 (建物の表示 省略)

 

 

 

 

第2条 遺言者は、遺言者の有する預貯金全部の払戻を受け、葬儀費用及び入院治療費等一切の債務の弁済に充てた残金について、遺言者の妻山田眞理子に2分の1、前記山田花太郎、二男である山田二郎、長女である江田洋子に各8分の1ずつ相続させ、前記山田花子に8分の1を遺贈する。

 

第3条 遺言者は、遺言者の有する有価証券、動産その他の一切の財産(第1条及び第2条の財産を除く)を前記妻山田眞理子に相続させる。

 

第4条 遺言者は、祖先の祭祀を承継すべき者として、前記山田花子を指定する。
 祭具及び墳墓に関する権利は、同人に承継させる。

 

第5条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、前記妻山田眞理子を指定する。
 遺言執行者は、預貯金の名義書換え、解約、払戻の権限を有する。

 

〈付言〉
 この遺言を作成した趣旨などについて述べておきます。

 

1 長男山田太郎夫婦は私たち夫婦と同居して私たちの世話をしてくれていたところ、長男山田太郎が昨年急に亡くなり、その妻山田花子はその後も私たちの世話をしてくれており、今後も老後の世話をしてくれると言ってくれているので、心から感謝します。山田家のお墓も、山田花子に、その後は山田花太郎に守ってもらいたいと思います。

 

2 二男山田二郎には、2009年に京都で家屋敷を買った際、頭金やその後の支払に充てるため、数年にわたり約1000万円を贈与してあります。また、長女江田洋子には、結婚した際、数年にわたり金500万円を贈与したほか、先年、孫が小学校へ入学した際入学金その他の出費があり、お金が必要ということで、金200万円を贈与しました。

 

3 このようないろいろの事情を考慮し、遺言書を作成いたしましたので、相続人の皆さんは、私の考えをよく理解して、いつまでも仲良く過ごしてください。

 

★公正証書遺言は、普通は、公証人役場で作成します(出張も可)。

 

★証人は二人必要です。相続人予定者等は証人になれません。

★「口述」とありますが、遺言の内容は前もって打ち合わせて決めてあります。

 

★「相続」とは、なんら手続きを経ることなく当然に、被相続人の財産が相続人に引継がれることをいいます。
 これに対し、「遺贈」というのは、遺言によって、遺言者の財産の全部または一部を贈与することをいいます。
 一般的に遺言書では相続人以外の者に遺産を与える場合に「遺贈する」という表現をしますが、相続人に対しても遺贈することはできます。

 

★葬儀費用や入院治療費などの扱いをどうするか書いておくと、相続人が迷わなくてすみます。

★預貯金など、可分なものは、相続割合を細かく指定しても分けられるので大丈夫です。口座で指定することもできます。 金額で指定すると、足りないときなどに困ることがあります。

 

★動産その他の一切の財産を指定しておくと、相続人が困らなくてすみます。また、後日に新たな遺産が出てきたとき遺産分割協議をしなくてすみます。

 

★祭祀財産(仏壇やお墓など)に関しては相続の対象にならないとされています【民法897条】ので、必要があれば、指定しておくと良いです。

 

★遺言執行者を指定しておくと、不動産の特定遺贈や、預貯金の名義書換・払戻等がスムーズにできて便利です。
 遺言執行者が相続人などで、もめそうなときには、執行者が弁護士に代理を依頼するといいでしょう。

 

相続関係図