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「これで安心!相続の仕方」 市民のための法律セミナー・レジュメ

相続の基礎知識

大河原 壽貴

弁護士 大河原 壽貴

0 はじめに

相続とは・・・

「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」

  • 借金も相続の対象
  • 一身に専属したものとは?
  • お墓や仏壇は?

1 誰がどれだけ相続するのか~法定相続分

(1) 第一順位は配偶者と子

配偶者+子のケース
子のみのケース
 ※ 養子と実子に違いはある?
 ※ 非嫡出子は?
 ※ 内縁の妻の立場は?

(2) 第二順位は直系尊属

直系尊属とは?
配偶者+直系尊属(実父母)のケース

(3) 第三順位は兄弟姉妹

配偶者+兄弟姉妹のケース
兄弟姉妹のみのケース

(4) 代襲相続(だいしゅうそうぞく)

代襲相続とは?

※ 亡くなる順番で相続分が変わる
※ 兄弟姉妹の代襲相続は一代限り(甥姪まで)
※ 養子と他の相続人の立場を兼ねる場合は?

2 遺産分割は実際はどのようにして決まるのか?

(1) 遺言

遺留分 → 3(2)へ

(2) 遺産分割協議

任意の協議
遺産分割調停 → 審判

(3) 特別受益と寄与分

(4) 遺産分割にかかるその他のこと

預貯金などの取扱い
 遺産分割が決まるまでは引落しはできない
 残高や取引履歴の照会は可能
借金の負担
不動産からの収益

3 相続に関するその他のこと

(1) 欠格事由

※ 欠格と代襲相続

(2) 遺留分

期間制限 → 遺留分を侵害されていることを知ったときから1年以内
廃除
遺留分の放棄

(3) 相続人がいないときはどうなるのか

原則は国庫へ
※ 特別縁故者の財産分与請求

4 相続したくない場合

(1) 相続放棄

期間制限 → 相続人であると知ったときから3か月以内
手続は家庭裁判所で
 ※ 相続放棄と代襲相続

(2) 限定承認

5 おわりに

遺産分割でもめないために

 

 

以上

 

相続(応用編)

岩橋 多恵

弁護士 岩橋 多恵

相談事例1

Q1  私には、私に暴力をふるい、多額の借金で私が多額の援助をした子ども(次男)がいます。次男には相続させたくないのですが、相続人からはずせませんか?

A1  一般的には、遺言で次男の相続分をなくすことが考えられますが、遺留分減殺請求権があります。本当に相続人から除きたい場合には、家庭裁判所に相続人廃除の申立をすることも可能です。また、遺言と同時に相続開始前(事前)に遺留分の放棄してもらう手続きもあります。

相談事例2

Q2  私の父は、今年7月に死亡しました。私の父は、私の兄(長男)家族と同居していました。私は、初七日が過ぎて法事の際に、父の遺産のことを聞いても、兄は、父には遺産はないとして、その内容を明らかにしてくれません。どのようにして遺産の内容を調べたらよいでしょうか?
 預金は、あったはずなのに、兄は、「ない」、葬式費用も自分が立て替えて支払ったと言います。どうしたらよいでしょうか?

A2  相続財産の調査は、前半のとおり。思い当たる金融機関に取引明細書を取り寄せる。
 問題は、被相続人死亡前後に相続人の1人が預貯金の払戻しや解約している場合には、不当利得返還請求、不法行為に基づく損害賠償請求(地裁)を検討する。

相談事例3

Q3  私の父は、今年8月16日に死亡しました。個人名で事業をしていたために多額の借金をしていたことがわかりました。他方、事業に利用していた土地や居住用の土地・建物など、プラスの財産もあります。相続人は、母は既に他界し、私を含めて子どもが3人(兄、私、妹)います。この間の話合いで、私の父の事業を継ぐとして、兄がすべての財産を相続する代わりに、父の借金も自分が全部責任を持つということで、遺産分割協議をまとめようとしています。私は、財産もいらないし債務を負いたくないのですが、遺産分割協議で、責任を持って銀行の借金を兄が相続することを合意しておけばそれだけで問題ありませんか。

A3  借金を確実に負わないようにし、プラスの財産も一切相続するつもりがないのであれば、相続の開始の事実を知ったときから、3ヶ月内に、家庭裁判所に相続放棄の手続(申述)を行うことが必要。あなたが、お父さんの死亡を8月16日にすぐに知ったとすれば、今日は、10月15日ですから、今なら間に合います。
 借金(債務)は、法律的な考え方では、相続の開始(死亡)と同時に当然に分割されて相続人に承継されると考えられています。従って、原則3ヶ月の期間が家庭裁判所に相続放棄の手続きをしなければ、遺産分割協議において、長男のみが債務を負うと決めても債権者との関係では、自分は支払う必要がないと主張することができません。但し、債権者と兄と他の相続人で、他の相続人の債務を免れさせ、兄が全部引き受けることを合意すれば、兄以外の相続人は、債務を負わないで済みます。

相談事例4

Q4  ご近所で身よりのない方が亡くなりました。相続人がいない場合や法定相続人が全員相続放棄をしてしまった場合は、遺産はどうなるのでしょうか。すべて国のものとなるのでしょうか?

A4
1.遺言が存在せず、相続人がいない場合、家庭裁判所が被相続人と特別の関係(縁故)にあった人(いわゆる特別縁故者)と認めれば、が遺産の一部ないし全部を取得できます(特別縁故者への分与手続き)
法律上は、「特別縁故者」とは、
 (1) 被相続人と生計を同じくしていた者
 (2) 被相続人の療養看護に努めた者
 (3) (1)ないし(2)に準じて「特別の縁故があった」人
となっています。
 (1)~(3)に該当するか否かは、個別の事例ごとに家庭裁判所が判断しますが、一応、以下のような点が目安となります。
 (1)は、いわゆる内縁の妻や夫、事実上の養親子が典型的です。(2)では、被相続人に対し、献身的に療養看護を尽くした者であれば、被相続人のいとこの子などでも認められたり、職場の元同僚、民生委員でも認められた事例があります。

2.特別縁故者として認めてもらうための手続き
 相続財産管理人が選任されていなければ、利害関係のある人(あなたでもOK)が家庭裁判所に相続財産管理人の選任の申立をする必要があります。遺産の整理(清算)を開始してもらう必要があります。
 相続財産管理人は、諸手続をすすめ、最後の方に相続人捜索公告手続をします。その公告期間の満了後3ヶ月以内に「特別縁故者による分与の申立」手続を家庭裁判所にしなければなりません。

 

以上