あなたのために全力で 暮らしと人権を守って48年 京都最大の法律事務所(弁護士19人、事務スタッフ25人) 法律でお悩みの方はお気軽にご相談ください。0120-454-489

「これで安心~相続と相続税」市民のための法律セミナー・レジュメ

相続の基礎知識

岩橋 多恵

弁護士 岩橋 多恵

0 はじめに

相続とは…

「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りでない。」

借金も相続の対象

一身に専属したものとは?

お墓や仏壇は?

1 誰がどれだけ相続するのか~法定相続人(の順位)と法定相続分

(1)第一順位は配偶者と子

配偶者+子のケース

子のみケース

※ 養子と実子に違いはある?

※ 非嫡出子は?

※ 内縁の妻の立場は?

(2) 第二順位は直系尊属

直系尊属とは?

配偶者+直系尊属(実父母)のケース

(3)第三順位は兄弟姉妹

配偶者+兄弟姉妹のケース

兄弟姉妹のみのケース

(4) 代襲相続(だいしゅうそうぞく)

代襲相続とは?

※ 亡くなる順番で相続分が変わる

※ 兄弟姉妹の代襲相続は一代限り(甥姪まで)

※ 養子と他の相続人の立場を兼ねる場合は?

2 遺産分割は実際はどのようにして決まるのか?

(1)遺言

遺留分→ 3(1) へ

(2) 遺産分割協議

任意の協議

遺産分割調停 → 審判

(3) 特別受益と寄与分

(4) 遺産分割にかかるその他のこと

預貯金などの取扱い
  遺産分割が決まるでは引落しはできない
  残高や取引履歴の照会は可能

借金の負担

不動産からの収益

3 相続に関するその他のこと

(1) 遺留分

期間制限 → 遺留分を侵害されていることを知ったときから1年以内

廃除

遺留分の放棄

(2)相続人がいないときはどうなるのか

原則は国庫へ

 ※ 特別縁故者の財産分与請求

4 相続したくない場合

(1) 相続放棄

期間制限 → 相続人であると知ったときから3か月以内

手続は家庭裁判所で

 ※ 相続放棄と代襲相続

(2) 限定承認

5 おわりに

遺産分割でもめないために

以上

市民のための法律・税金セミナ- 「相続税の概要」

京都会計 税理士 乗岡 五月

1 相続税ってなんだろう?

相続とは「亡くなった人の財産を、残されたご家族が引き継ぐこと」

その時にかかる税金を相続税と言います。

2 相続税は誰が払うものでしょうか?

「もらった人」が払う税金です。

3 先ず財産を把握しよう

自宅、現金、預貯金、賃貸不動産、有価証券など相続財産にどのようなものがあるか、確認しましょう。また、借入金等の債務の有無も確認しておくことが必要です。
相続税は、プラスの財産からマイナスの財産を差し引いた正味の財産に課税されます。

*3年以内に贈与した財産は相続財産に加算される

*生命保険金、死亡退職金は相続財産とみなされる

ただし相続人が受取った金額のうち 500万円×法定相続人の数 については非課税

4 相続財産の評価はいくらなのか?

財産の評価は、相続開始時の時価が原則です。

評価が難しいものとして、自宅・賃貸不動産などがあり、不動産物件の評価には注意が必要です。概算を把握するために、以下の内容をおさえてください。

土地

路線価:国税庁が毎年公表する相続税、贈与税の基礎となる価格を表示したもの。
      一般的には、路線価は公示地価の約8割の価格になっています。

建物

固定資産税評価額:市町村自治体が公表する固定資産税を算出する基礎となる評価額のこと

5 相続税を計算してみよう

例題

土地建物      3000万円

現預金       3000万円

借入金         400万円

相続人  妻と子2人

(1).正味の遺産の額を計算します

  3000万+3000万-400万 = 5600万円

土地・建物や預金等の財産から借入金等の債務を引いたものが正味の遺産額になります。(生命保険金は非課税限度額を超えた分が加算されます)

(2).基礎控除分を控除します

基礎控除 3000万円 + 600万円×3人(法定相続人)= 4800万円

基礎控除後 5600万 - 4800万 = 800万円

(3).法定相続分に分けたと仮定して相続税の総額を計算します

妻 800万 × 1/2 =  400万円→(税率) 40万円
子 800万 × 1/4 =  200万円→(税率) 20万円
子 800万 × 1/4 =  200万円→(税率) 20万円
相続税の総額80万円

(4).それぞれ各人の税額を計算します

実際に相続した遺産の割合で税額を按分します(相続税の総額は80万円と変わりません)

(実際の分割も法定相続分で分割した場合)

妻 80万 × 1/2 = 40万円
子 80万 × 1/4 = 20万円
子 80万 × 1/4 = 20万円

(5).納税額

妻 40万 - 40万(配偶者控除)   0円
子                  20万円
子                  20万円
 合計             40万円

6 配偶者の軽減・小規模宅地等の特例を使えば相続税は安くなる

配偶者の税額軽減

相続発生後、配偶者が相続した財産については、配偶者の税額軽減の特例を受けることができます。

配偶者が相続した財産のうち、次のいずれか大きい金額までは相続税がかからないことになっています。

イ 配偶者の法定相続分

ロ 1億6000万円

この特例を使う場合は、相続税が0円であっても申告書の提出が必要です。また、原則として申告書の提出期限までに遺産分割が成立していなければ特例を受けることができません。

小規模宅地の特例

被相続人から相続人が取得した居住用宅地や事業用宅地などについては、生活や事業を継続できるよう、宅地にかかる相続税を減額できる特例があります。

相続税の計算上、被相続人等の自宅や事業用の敷地の評価について、一定の要件のもと、大幅な減額が認められているものです。

例えば 居住用宅地   330㎡まで 80%

     事業用宅地   400㎡まで 80%

     貸付事業用宅地   200㎡まで 50%

この特例を受けるには、相続税の有無にかかわらず申告書の提出が必要です。また、原則として、申告期限までに遺産分割協議の合意が必要です。

7 相続税は現金一括納付が原則

相続税の納付は、原則として現金で一括納付することが必要となり、相続が発生してから10ケ月以内には、その資金を準備しておく必要があります。

例外として、延納制度・物納制度がある。

8 納税資金は足りているか

財産の中に、預貯金がいくらあるのか、有価証券といった換金性の高い財産はどれくらいあるのかを把握し、実際の相続税と比較し、相続税が賄えるか確認してみましょう。

預貯金が少ない場合は、不動産を売却するなどの検討も必要となります。