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パート・アルバイトの権利

糸瀬 美保弁護士 糸瀬 美保

パート・アルバイトの権利

Q.私は、あるスーパーでパートとして働いています。先日、実家に帰省するために休暇を取ろうとしたら、店長から、「正社員ではないから有給はないよ」、と言われました。就業規則には何も書いてないようです。パートには有給休暇を取る権利はないのでしょうか?
A.(1)パートやアルバイトも労働者であるのは同じです

一般にパート労働者とは、通常の労働者に比べて短い時間勤務する労働者のことを指します。雇用期間の定めもあることが多いのですが、期間に定めがなく、定年まで働く場合もあります。

「短時間労働者の雇用管理の改善に関する法律」、いわゆるパート法の対象となる「短時間労働者」とは、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」をいうとされています。したがって、いわゆるアルバイトのように、週の労働日数が通常の労働者よりも少ない労働者も、短時間労働者に含まれることになります。

パート労働者であっても、労働者であることに変わりはありません(*労働者とは何か、については「私って労働者?」を参照してください)。

よって、通常の労働者同様、労働者基準法などの労働者保護法規に規定された労働者としての権利を行使することができます。但し、一定の時間以上勤務していることが要件となる場合があります。

(2)パートの有給休暇

ア.年次有給休暇日数

1年6ヶ月以上勤務した労働者には、採用後6ヶ月に達した翌日から向こう1年について10日の有給休暇を取得する権利が発生し、翌年以降は、最大20日まで、1年ごとに次の表のとおり日数が増えます(労基法39条1項)

継続勤務
年数
6月1年6月2年6月3年6月4年6月5年6月6年5月
以上
付与日数10111214161820

イ.通常日数の場合

パート・アルバイト労働者であっても、以下の場合は、アと同じ年次有給休暇を取得することができます。

①所定労働日数が週5日以上
②所定労働日数が年217日以上
③所定労働日数が4日以下でも所定労働日数が週30時間以上

ウ.比例付与

上記イ①~③以下の労働者でも、次の表のとおり日数の年次有給休暇を取得する権利があります。

④所定労働日数が週4日または年169日から216日まで

継続勤務
年数
6月1年6月2年6月3年6月4年6月5年6月6年5月
以上
付与日数78910121315

⑤所定労働日数が週3日または年121日から168日まで

継続勤務
年数
6月1年6月2年6月3年6月4年6月5年6月6年5月
以上
付与日数566891011

⑥所定労働日数が週2日または年73日から120日まで

継続勤務
年数
6月1年6月2年6月3年6月4年6月5年6月6年5月
以上
付与日数3445667

⑦所定労働日数が週1日または年48日から72日まで

継続勤務年数6月1年6月2年6月3年6月4年6月
付与日数12223
(3)あなたが、そのスーパーに継続して1年半以上の勤務している場合には、継続勤務年数、週の所定労働日数又は所定労働時間に応じて、上記の日数の有給休暇を取得する権利があります。これは法律上の権利ですから、就業規則に記載してなくても大丈夫です。
Q.私は、ある飲食店で日給4000円でアルバイトをしています。勤務時間は、午後5時から午後10時までとなっていますが、閉店時間が延びたり、お店の片付けを手伝ったりするので、仕事が終わるのはいつも午後11時を過ぎています。
アルバイトには、残業代は支払われないのでしょうか?
A.アルバイトであっても、残業代は発生します。

法定労働時間(原則1日8時間1週40時間)を超えて労働した場合や深夜(午後10時~午前5時)、休日に労働した場合、使用者は割増賃金を支払わなければなりません。

1日8時間以内の残業であっても、所定労働時間が所定労働時間を超えれば、法内残業として、時間賃金に残業時間を乗じた額の賃金請求権があります。(*詳しくは、賃金・給与・残業代・深夜勤務手当の項を参照して下さい)

あなたの場合、午後10時を過ぎて残業をしているということですから、時間給の25%増しの割増賃金を請求することになります。

Q.私は、パートで清掃の仕事をしています。契約は、6ヶ月の期限付きになっています。会社から契約の期間満了を理由に、来月から来なくてもよいと言われていますが、当然に辞めなければならないのでしょうか?
A.パートは、必ずしも期間のある労働契約である必要はありませんが、パートやアルバイト、契約社員など多くの非正規労働契約に期間の定めがあることが、非正規労働者の地位を不安定なものとしています。

期間を定めた労働契約でも、これまで契約が反復更新されたことにより、雇止めをすることが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められる場合や労働者に契約が更新されるものと期待することについて合理的理由が認められる場合には、通常の労働者の解雇同様、期間満了を理由とする解雇(雇い止め)に合理的な理由がなければ、雇い止めは無効となるという確立した判例法理が労働契約法に明記されました。(*有期契約に関する労働契約法の改正については、情報BOX「有期から無期への転換・不合理な労働条件の禁止~労働契約法一部改正法が全て施行されました~」を参照下さい)

したがって、契約期間が6ヶ月となっていても、これまで何度も契約を更新してきた実績がある場合や更新の合理的な期待がある場合には、会社を辞める必要はありません。解雇と同様に雇い止めを争うことができます。

雇い止めを争うことができるかどうかの判断や争う場合の具体的手続きについては、事務所にご相談下さい。