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大阪高裁で再び国と建材メーカーの責任を広く認める! ~建設アスベスト被害全面救済の流れは決定的に~

大阪高裁で再び国と建材メーカーの責任を広く認める! ~建設アスベスト被害全面救済の流れは決定的に~

2018年9月21日
弁護士 谷 文彰

前例のない「国に10連勝」

2018年9月20日、大阪高等裁判所第3民事部は、関西建設アスベスト大阪訴訟の控訴審において、国と建材メーカーの責任を広く認める原告全面勝訴判決を言い渡しました。

同種訴訟の判決は、先の8月31日の大阪高等裁判所第4民事部の判決を含めて11件目ですが、これで国の責任について10連勝、個人事業主などのいわゆる「一人親方」に対する国の責任については3連勝、建材メーカーの責任を認める判決も4件目です。

同種訴訟で国が10連敗するということは、過去前例のないことではないでしょうか。

大阪高等裁判所第3民事部の判決の概要

今回の大阪高等裁判所第3民事部の判決は、今年3月14日の東京高等裁判所判決と8月31日の大阪高等裁判所第4民事部の判決に続いて、一人親方に対する国の責任を正面から認めました。高裁判決が3つ続けて正面から認めたことで、もはやこの点についても国の責任は明確となったといえるでしょう。労働者もそうでない人も、被害者全員の救済をと訴え続けてきた私たちにとって本当に大きな成果です。

また、国の責任について、これまでの判決では損害額の3分の1の範囲でのみ国は責任を負担するべきだとされていたところを、アスベスト建材の普及は国の住宅政策に起因する面があることなどを理由に2分の1に引き上げました。アスベストの危険性を知りながら、規制を怠るどころか使用を推奨した国の責任を厳しく指摘するものです。他の訴訟では認められてこなかったアスベストの製造禁止措置に関する国の責任についても改めて認め、1991年末にはアスベスト建材の製造・販売を禁止すべきだったとも判断しています。

アスベスト建材を大量に作って大きな儲けを挙げてきた建材メーカーについても、8社について責任を認めました。建材メーカーの責任を一切認めなかった大阪地方裁判所の判決(2016年1月22日)を覆し、幅広く建材メーカーの責任を認めたことは高く評価できます。

潮目を変えた京都地裁判決

建設アスベスト裁判は苦難の連続でした。1件目である2012年5月の横浜地裁判決では国の責任さえ認められず全面敗訴、その後労働者に対する国の責任は連続して認められましたが、6地裁の判決が出そろった段階では、建材メーカーの責任を認めたのは2016年1月29日の京都地方裁判所1件のみ、一人親方に対する国の責任についてはすべて否定されていました。

しかし、潮目は変わります。その後の5件の判決では、一人親方に対する国の責任を認めたものが3件(すべて高裁判決)、建材メーカーの責任を認めたものが4件(うち3件が高裁判決)となっています。

これは、被害者や支援の方々が諦めることなく闘いを続けてこられた成果に他なりません。そして判決で見れば、建材メーカーの責任を初めて、しかも幅広く認めた2016年1月29日の京都地裁判決がターニングポイントになったことは間違いないでしょう。

もう1つの大きな要因として、私たちが早期解決を求めてきたにもかかわらず,国と建材メーカーが拒否し続け、話し合いにすらまともに応じようとしなかったことが挙げられます。裁判所は早い段階から、早期に解決すべきとのメッセージを発してきました。大阪高等裁判所では、いずれも結審にあたり和解の試みが裁判所主導でなされました。それでも拒否を続けることに対する裁判所の強いメッセージが判決に込められたのです。厳しく、広く、多様に責任を認めることで、国や建材メーカーの姿勢を強く非難し、早期解決を促しているのです。

今こそ解決へ

もはや建設アスベスト被害を全面的に救済すべきとの司法の流れは決定的になりました。裁判所の度重なるメッセージを、なぜ国も建材メーカーも真摯に受け止めようとしないのでしょうか。今こそ解決のとき。直ちに動き始めましょう。

私たちも、国と建材メーカーに働きかけるかつてない大運動を展開します。これからも全力を尽くしますので、みなさまの一層のご支援・ご協力を心よりお願いいたします。

当事務所弁護団
弁護士 村山 晃、大河原 壽貴、秋山 健司、谷 文彰