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刑事司法システムの闇にメスを!

刑事司法システムの闇にメスを!

2019年2月21日
弁護士 秋山 健司

サスペンスドラマから浮かぶ警察官・検察官像

サスペンスドラマの犯人を見ていると、「こんな悪い奴、早く捕まえて重く罰して世の中から隔離してしまえ!」と思ってしまいます。主人公の警察官が苦難を乗り越えて犯人を逮捕する、正義の検察官が法廷で犯人を完膚なきまで追及し有罪判決が下る・・・すかっとしますね。現実の警察官・検察官についてもこのようなイメージを思い浮かべてしまう方も多いのではないでしょうか。

実際の警察官・検察官像

しかし、実際の警察官・検察官はどうでしょうか。もちろん、正義の実現のために真面目に働いている場面もあるでしょう。

しかし、警察や検察の歴史を振り返ると、ドラマで見られる警察官や検察官とは異なる姿も浮かんできます。

冤罪・弾圧の歴史

ドラマには台本があり、犯人とその行動が視聴者に可視化されているのが通常です。ですから冤罪はありません。また刑事が悪役になって罪無き市民を弾圧するという場面は描かれません。しかし、実際には幼女殺害冤罪が確定した足利事件のような冤罪事件も沢山ありますし、検察官が虚偽の証拠を作って有罪判決を得ようとした郵便不正事件のような冤罪事件もあります。市民の政治的な行動や労働組合の活動を、公職選挙法、道交法、屋外広告物条例、威力業務妨害罪等の法令を持ち出して警察・検察が妨害し、時に逮捕する、中には松川事件のように死刑台に送り込むということまで犯しています。「国家の暴力装置」とも言われる警察、検察にはそのような暗くて恐ろしい一面があるのです。

警察・検察を規律する、刑事司法分野の法制度の問題点

1.日産ゴーン事件に見る人質司法

日本国憲法31条は、刑事手続の適正を人権として保障していますが、その一つとして無罪推定を受ける権利というものがあります。昨年来、マスコミを賑わしている日産のゴーン氏も無罪推定を受ける権利を有しています。しかし、実際はどうでしょうか。有罪と決まった訳でもないのに、刑罰を宣告されたのと同様に拘置所に隔離され、長期間拘束されています。

西欧ではこのような、何時終わるともわからない身柄拘束は行われないのが普通です。現にゴーン氏は保釈の請求を行い、罪証隠滅につながる行動をしない等、裁判所の付する如何なる保釈条件にも従うと述べても保釈が認められません。西欧諸国から「まるで中世時代だ。」といわれるのも当然でしょう。「自白をすれば出してやる。自白しなければいつまでも閉じ込めておく。」というこのような身柄拘束を可能にする日本の司法は「人質司法」とも言われています。人質司法のもとで、これまで足利事件や布川事件、そして袴田事件のように、虚偽自白が調書にとられ、数々の冤罪が生み出されたのです。

2.Tポイントカード問題に見られる警察機構への情報漏洩問題

最近、Tポイントカードについて、利用者の会員情報や利用履歴が令状なしで警察機構に提供されていたとの報道があり、議論を呼んでいます。これは、罪を犯した疑いがあるのかどうかも客観的には判然としていない段階でも、警察機構が、Tポイントカードを利用している一般市民の情報(どんなビデオを借りているか等)を、当該市民に内緒で情報収集できていることを意味します。これは憲法13条が保障しているプライバシーの権利を侵害する大問題です。

3.「ラインもできない共謀罪。電話もできない共謀罪。」

安倍政権は、2017年6月、警察や検察が、市民間の会話を監視して、「277個の対象犯罪に関係する会話をしており、その準備行為といえる行動をした。」と判断したらその時点で逮捕状をとり、起訴して処罰を請求できる、「共謀罪法」を強行制定しました。共謀罪の制定を根拠に、警察や検察が市民の皆さんの個人情報を網羅的に取得することを正当化する理由が作られてしまいました。

映画「スノーデン」をご覧になられましたか?アメリカ政府機構が保有している監視技術は驚くばかりです。映画の中では、政府職員が、一般市民(女性)が自宅の寝室に置いているノートパソコンのウェブカメラを強制起動して、その着替え姿を盗み見ている場面があります。最早私達のプライバシーは技術的には丸裸にされているも同然です。その技術を、大手を振って利用することを可能にするのが共謀罪です。あなたの知らない間にこの技術を警察、検察があなたに対して利用したらどうでしょうか?

今、声をあげましょう!

京都第一法律事務所の弁護士達は、自由法曹団京都支部所属の弁護士として、労働組合や市民団体の皆さんと一緒に、共謀罪の廃止を求める署名活動や、刑事司法制度の改善を求める街宣活動等に取り組んでいます。

「福祉よりも軍事を。」と日本国憲法9条改悪に突き進み、日本の法治主義、民主主義の土台を腐敗させている安倍政権を倒す運動とともに、刑事司法分野の基本的人権を実現する声を、私達と一緒にあげて下さい!