弁護士コラム

京都に米軍基地ができる!? 危険な「Xバンドレーダー」

京都に米軍基地ができる!? 危険な「Xバンドレーダー」

京都の北部・経ヶ岬にある航空自衛隊の基地に、米軍の「X(エックス)バンドレーダー」が2013年中にも配備されようとしています。Xバンドレーダーとは、敵国からミサイルが発射された際に、それを察知するためのレーダーです。レーダーだけではなく、約160人の軍人が配属されて米軍基地ができる予定です。

レーダーの仕組みと設置の目的

レーダー配備の理由について、防衛省の資料では、次のような説明がされています。

経ヶ岬は、弾道ミサイルの探知・追尾を行う上で最適の場所であり、経ヶ岬にこのレーダーを配備することにより弾道ミサイル攻撃に対する我が国の防衛能力の強化に寄与します。

この説明では、Xバンドレーダーを配備すると日本が安全になるようですが、本当にそうなのでしょうか? 下の図を見てください。

※下記画像をクリックすると大きな画像がご覧いただけます。 左下の「Forward-Based Radar」が配備予定のXバンドレーダー
※米国レイセオン社の広報資料より抜粋。
左下の「Forward-Based Radar」が配備予定のXバンドレーダー。

この図によると、ミサイルが発射されてから、打ち落とされるまで段階があり時間がかかります。仮に北朝鮮から日本に向けてミサイルが発射された場合、探知する前に日本にミサイルが到着してしまい日本の防衛には寄与しません。Xバンドレーダーを設置しても、日本の安全のためにはならないのです。

レーダー配備でかえって危険に?

一方、Xバンドレーダーが配備されると、アメリカにミサイルが発射された場合、それを探知して撃ち落とすことができるようになります。このようなレーダーはアメリカを敵視する国からすると邪魔者で、アメリカにミサイルを撃ち込むためには、まず邪魔者であるXバンドレーダーを狙って破壊する必要が出てきます。つまり、Xバンドレーダーが経ヶ岬に配備されると、まずXバンドレーダーが配備されている経ヶ岬が狙われかねないのです。

憲法9条違反のXバンドレーダーに反対を!

このように、Xバンドレーダーの設置は、日本の安全のためではなくアメリカに向けられたミサイルを探知するためのもので、戦争放棄を定めた日本国憲法9条に違反し、憲法9条が禁止する集団的自衛権の行使につながってしまいます。

このような危険なレーダー基地を作ることを絶対に許してはいけません。平和を目指す日本国憲法9条をもつ国として、Xバンドレーダー配備・米軍基地反対の声を広げていきましょう。