弁護士コラム

建設アスベスト訴訟全国連絡会が結成されました

建設アスベスト訴訟全国連絡会が結成されました!

1.京都地裁への提訴

原告11名が、営利のためアスベスト建材の製造・販売を長年にわたって継続してきたメーカー44社と、規制を放置してきた国を相手に、4億円余りの損害賠償を求めて京都地裁に訴訟を提起したのは本年6月3日のことでした(詳しくは、 アスベスト被害の完全救済を目指して提訴~あやまれ、つぐなえ、なくせアスベスト被害~ をご覧下さい)。
 それから半年、国と企業は、自らの責任を完全に否定する不誠実な主張を繰り返しています。その一方で原告の中には、急激に体調を崩された方や入退院を繰り返しておられる方もおり、早期解決の重要性は日に日に高まるばかりです。体調が悪い中でも声を振り絞る原告のみなさんを支援しようと、法廷には毎回多数の支援の方々が駆けつけ、その後の報告集会でも活発な意見交換と激励を頂いています。こうしたご支援は、原告団と弁護団の心の支えです。アスベスト問題の全面解決に向け、みなさまのご支援を改めてお願い致します。

2.全国連絡会が結成される

京都で提起されたこの建設アスベスト訴訟は、本年7月13日に大阪でも提起され、京都とともに関西建設アスベスト訴訟としてたたかいが進められています。全国的にも、3年前に先行して提起された東京、横浜に続いて北海道と九州でも同様の訴訟が提起されています。全国で500名近くの原告が、「あやまれ、つぐなえ、なくせアスベスト被害」を合言葉に、建設アスベスト問題の全面解決を求めて法廷内外での運動を進めているのです。
 そんな中、11月23日、建設アスベスト問題の全面解決を目指し全国連絡会が結成されました。この連絡会は、国と企業を被告として裁判をたたかう全国の原告団や弁護団のみならず、各地の支援団体も参加する強力な組織です。これからは全国連絡会を中心として、全国で一致団結してアスベスト問題解決のための運動が展開されることになります。

3.新たな段階へ

2012年には、泉南地域の石綿紡織工場で働いていた労働者等が国の責任を追及した泉南アスベスト第二陣訴訟(3月28日判決)、首都圏建設アスベスト横浜訴訟(初夏ころ判決予定)、同東京訴訟(年内判決予定)の三つの判決が連続して出される予定です。この年、全国のアスベスト問題は新たな段階に入ることになります。
 法廷内外の声をより一層大きくし、全面解決のための取組みを続けていきたいと思います。全国連絡会では署名運動などにも取り組んでおりますので、みなさまのご協力を是非ともよろしくお願いします。

2011年11月